みんなのケータイ

 8月中旬はサムスンの発表会でニューヨークを訪問。アメリカへ行くと家電量販店で現地のプリペイドスマートフォンを買うのが筆者の慣わしとなっている(アメリカに限らないが)。今回もマンハッタンにあるBest Buyを到着初日にさっそく訪問、プリペイド用として売られているスマートフォンは意外にもLGとZTEの製品が多く、各通信事業者から数モデルが出ている。

 一方、Windows Phoneも少しずつ存在感を高めているのか、マイクロソフトのLumiaも複数モデルを発見。その中にあってAT&Tが出しているLumia 640は79.99ドル、日本円で9900円と1万円を切る低価格で販売されていた。このLumia 640は実は日本で先日発売になったMADOSMAとスペックやサイズが非常に似ている。この2モデルを使い比べるのも面白いと思ってさっそく購入してみることにした。なお、通信するためには別途料金が必要だが、今回は他のAT&Tプリペイドスマートフォンを買った直後だったのでSIMは使いまわしで済ませた。

毎度おなじみBest Buyのプリペイドコーナー。AT&Tは昔からLumiaを扱っている
買ったのはマイクロソフトのスペシャルストア。細かいことだがBest Buy品はブリスターパッケージで開けにくい。こちらは紙箱なのでテープをはがすだけだ

 Lumia 640のサイズは141.3×72.2×8.8mm。MADOSMAの142.8×70.4×8.4mmと非常によく似ている。一方、重量は145g vs. 125g、Lumia 640のほうは背面がマット処理のため両者を手に持った感じはかなり違う。MADOSMAのほうがより軽くて持ちやすい印象だ。

 さて、1万円で買えたLumia 640だが当然のことながらSIMロックがかかっている。アメリカから筆者の居住する香港に戻ってきたらWi-Fiでしか利用できず電話はかけられない。まあ、MADOSMAも持っていることだしこのLumia 640はテスト用として使えばいいやと思ったのだが、都合よいことにWindows Phone用のWindows 10のインサイダープレビュー(IP)の最新版、Build 10512のアップデートがちょうど可能になっていた。

 IP版はベータ版以前のため普段使っている端末に入れるのはちょっと心配だが、このLumia 640はテスト運用と決めたところなので問題は無い。アップデートはすんなり終わると思いきや一度失敗、ホーム画面が出ない状態になってしまったので8.1に戻してから再度アップデートを行いなんとか入れることができた。

 筆者は複数のLumiaを持っているが、他の機種にはしばらくIP版のアップデートは行っていなかった。そのため今回Lumia 640に入れたものは従来よりもかなりバージョンが上がったものとなる。使ってみるとこのBuild 10512は、製品版にかなり近づいたんじゃないかと思えるほど各機能の完成度が高まっている。

 一番目につく新しいブラウザ、Edgeを使ってみたがIEとは雲泥の差と思えるほど操作性も良くなっている。このEdgeが使えるだけでもWindows 10-IPにして良かったと思えるほどだ。他の機能はカメラも問題なく動作、ストアアプリも良く使うものはインストール可能だった。ただ、Windows Phoneの顔ともいえるホーム画面のタイル表示は、タイルの色変更が数色にしか変えられない。これはまぁIP版なのでバグなのだろう。

Lumia 640とMADOSMAの比較。ほぼ同じサイズだ
新しいブラウザ、Edgeがとても使いやすい

 ところでマウスコンピューターはMADOSMAのWindows 10化についてのアナウンスを現時点で行っていない。個人的には将来対応するものと期待してはいるが、そもそもスマートフォン版Windows 10の正式登場もマイクロソフトからはその時期が発表されていない。だが、こうして2機種を並べてみると、MADOSMAがWindows 10化されたらこうなるのか、という将来の期待の姿が見えてくる。着々と製品版に近づいていくスマートフォン向けWindows 10、正式な登場が待ち遠しい。

そうそう、日本の地図も新しいマップで問題ない
MADOSMAにWindows 10が入るとこんな画面になるのだろう