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 UQコミュニケーションズは、2015年5月末よりWiMAX 2+で通信量の多いユーザーを対象に通信速度制限を開始しました。

 「速度制限なし」がウリとなっていた初代のWiMAXサービスと異なり、WiMAX 2+はサービス発表時から、2015年4月以降は直近3日間の通信量に基づく速度制限を行う場合があることが明らかにされており、具体的な通信量である「直近3日間で3GBを超えた場合」という内容は、2015年1月に発表されました。

 前述の通り、WiMAX 2+向けの速度制限は2015年4月1日より適用される場合があることがアナウンスされていましたが、実際に多くのユーザーに対して速度制限が適用されたのは5月末頃となった模様です。

速度制限状態のWiMAX 2+。通信速度は1Mbps前後

 通信速度制限の対象となった場合の通信速度を測定してみると、上下共に約1Mbps程度。制限時の通信速度については、UQコミュニケーションズが「YouTubeの標準画質は問題無く見られる程度の制限」と従来より説明している通り、YouTubeでの動画閲覧などの用途にも利用できますが、制限なしの状態と比べれば通信速度は明らかに遅くなります。

 速度制限でストレスを感じたのは、大容量のファイルをダウンロードが完了するのを待っている間にWebサイトを表示させようとした際に、Webサイトが表示されるまでに非常に長い時間が必要になるなど、速度制限がかかっていない状態では特に気にならなかった「通信の待ち時間」を感じるようになった点です。

「3日3GB」を超えてもノーリミットモードの「WiMAX」は速度制限なし

 WiMAX 2+向けの通信速度制限を回避する方法としては「直近3日間の通信量が3GBを超えないようにする」という方法以外に、速度制限がかからないWiMAXで通信を行うという方法があります。

 WiMAX接続中の通信は「ノーリミットモード」あるいは「ハイスピードモード」のどちらでも速度制限の対象外となりますが、通信方式をWiMAXに固定できるという点では、ノーリミットモードをサポートしている機種の方が使い勝手が良いでしょう。

 ただし、WiMAX 2+の最新のモバイルWi-Fiルーターである「Speed Wi-Fi NEXT W01」および「Speed Wi-Fi NEXT WX01」の両機種では、通信方式をWiMAXに固定して使うことができなくなっています。

Speed Wi-Fi NEXT W01はWiMAXに非対応、ノーリミットモードもサポートせず

 UQコミュニケーションズが公式にサポートしている方法ではありませんが、WiMAX 2+対応機種同士はSIMカードを差し替えて利用することが可能となっているため、例えばW01やWX01を使っている最中に通信速度制限の対象となってしまった場合、ノーリミットモード対応機種にSIMカードを差し替えて利用すれば、WiMAX 2+およびauの4G LTE向けの通信速度制限を回避することは可能です。

 ただ、WiMAXサービスに関しては通信速度が下り最大40Mbpsから13.3Mbpsへと低速化するエリアが拡大している最中である上に、UQコミュニケーションズもWiMAX 2+対応機種への「ギガヤバ移住計画」が展開されており、今後発売されるWiMAX 2+対応機種でもサポートされるかどうかが不透明です。

 通信速度制限の対象とならない使い方をしている方にとっては問題がありませんが、WiMAX 2+回線を固定回線代わりに使っている場合や、旅行や出張中に大容量のデータを送受信するなどして、通信量が「直近3日間で3GB」を超えてしまった場合、普段と同じ速度で使うことが難しくなるという点は注意が必要です。

 筆者の場合、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した写真・動画をDropboxなどのクラウドサービスを使って同期するためのデータ通信量が、その他の用途と比較して非常に大きく、これをモバイル回線で行おうとするとWiMAX 2+の速度制限にひっかかることになります。

 従来通りの使い方ができなくなってしまうのはユーザーとしては不便ですが、限りある電波を公平に利用するという点ではやむを得ない面もあるので、WiMAX 2+などのモバイル回線で利用する通信のうち、容量の大きな通信については自宅回線や各キャリアの提供するWi-Fi経由で通信を行うなどの工夫を行っていきたいと思います。