みんなのケータイ

 本誌にもたくさんの記事が掲載されているのでお気づきの方も多いと思うが、Mobile World Congressの取材で3月上旬にスペイン・バルセロナを訪れていた。花粉症持ちの筆者にとって、この季節に東京を離れられるのは非常に助かる。仕事じゃなければ、の話ではあるが……。

 仕事で海外出張となると、必要になるのが通信手段の確保である。ここ数年、バルセロナに通って感じるのは、宿のWi-Fi環境を含め、モバイル通信環境がかなり整備されてきたということ。もちろん、筆者が使うisai VL LGV31のような4Gのみの端末で支障なく生活できる、という日本の恵まれた環境とは異なるが、それでも日本にいる時とほとんど差を感じない程度にスマートフォンを快適に利用できるようになってきたという印象だ。

グローバルWiFiでレンタルした「ZTE MF91」

 現地でSIMカードを調達してSIMフリー端末に挿して使うということも可能で、筆者もそうすることが多いのだが、ここだけの話、今年はSIMフリー端末を持っていくのを忘れた。その保険ということでもないが、事前にレンタルを手配していた「グローバルWiFi」(ビジョン)のモバイルルーターが現地では大変役に立った。

 同サービスでは、昨年末からヨーロッパでの4G対応エリアを拡大し、1日500MBまでの通信を保証する「大容量ヨーロッパデータPLUSプラン」と組み合わせて快適に利用できるようにしている。大容量プランは通常のプランよりも少し高めの価格設定となっているが、筆者のように大量の写真データのやり取りが発生するような仕事をしている場合には、1日500MBが保証されるというところが非常に重要となる。

 実は他の業者も含め、毎年日本でルーターをレンタルして持って行っているが、普通に仕事をすると現地のフェアユースポリシーの制限対象となり、まともに通信できないような状況になることもあった。その点、1日500MBが保証されるという安心感は大きい。長い動画を見るなどしてパケットを浪費しない限りは心配無用な容量とも言えるだろう。

 宿のモジュラージャックにアナログモデムを繋いで28.8kbpsとか33.6kbpsとかで死にそうになりながら徹夜で原稿を送っていた十数年前のCeBIT取材の時と比べると、まさに隔世の感がある。

ベッドの上で宿のWi-Fi(上)とMF91でそれぞれ計測した数値。モバイルルーターの方が快適という状況
最近はGoogleマップのルート探索がかなり使える。日本ではあまり乗らない路線バスだが、海外での移動にはとても便利