みんなのケータイ

留守電の内容をテキスト変換してくれるサービス「TRANSREC」
各種設定とクレジットカード情報を登録して使用開始

 着信に気付かなかったり、会議中や移動中だったりして電話に出られない時、ありがたい存在が留守番電話サービス。通話できない場面でもひとまず留守録メッセージを聞いて、用件を把握している人も多いと思う。

 ただ、留守録メッセージにも弱点がないわけではない。こちらから話すことはないにしろ、電話しにくいマジメな会議中はスマートフォンを耳に当てるという態度がそもそもそぐわないし、混雑する騒がしい場所では音声を聞き取りにくかったりもする。

 そんな時どうするか、というわけで試してみたのが「TRANSREC」という留守番電話サービス。申し込んだ後、丁寧なガイドの通りに設定して留守番電話専用の番号に転送設定するだけで使い始められる。

キャリア、使用環境ごとの転送設定方法を詳細に教えてくれるのがうれしい

 これのスゴいところは、なんと留守録メッセージをテキスト化してメールで通知してくれること。電話がかかってきて留守電に切り替わると、まず着信があったことを知らせるメールが指定アドレス宛に届き、さらに相手がメッセージを吹き込むと、その内容をテキスト変換して、元の音声メッセージもMP3形式でファイル添付したうえで、もう一度メールで送ってくれる。

着信して留守電に転送されると、まずこのように着信通知がメールで届く
相手がメッセージを吹き込むと、その内容をテキスト変換し、音声ファイルも添付してもう一度メールが来る

 すなわち、電話に出られないような状況でも、メールをチェックすれば相手がどんな用件で連絡してきたのか、一切ダイヤルも通話もせずに、ある程度把握できてしまうわけ。一度使ってみると、おー! と声を上げるくらいに面白いし、実際便利だ。

 が、スクリーンショットを見ると分かる通り、正直なところ、留守録メッセージのテキスト変換の精度は、決して高いとは言えない。おそらく他人が読んでも、何を言っているのかさっぱり分からないはずだ。ところが、電話を受けた当人にとっては、(それまでのやりとりの延長であれば)相手の伝えたいことがなんとなく理解できる、というギリギリのラインで変換されている。この当人でなければ全然分からない絶妙な“暗号”具合が、セキュリティ的には逆に都合がいい、気がする。

 最初はちょっと試しに……という気持ちだったのだけれど、なんだかしばらく使い続けたくなってきた感じ。筆者のような一般的な留守電の使い方もあるが、電話がかかってきても関係ねー的な、目の前の仕事に集中したいプログラマー気質な人、あるいは電話で話すのが嫌いな人にもおすすめできる。

 筆者が所有するARROWS NX F-02Gのような大手キャリアのスマートフォンであれば、留守電サービスが用意されているけれど、昨今話題のMVNOが提供するいわゆる格安SIMや格安スマホなんかでは、そもそも留守電サービスが用意されていないところが多い。そういったスマートフォンを使っている人にも向いているし、このサービス自体は転送機能を利用するだけなので固定電話でも使えるから、場合によっては会社でも活用できそう。

 あとは、1アカウント月額300円という価格を高いとみるか、安いとみるか(最大受信件数は月100件まで。それを超える分は1件につき+2円)。大手キャリアの留守電サービスは、無料のところでも保存件数が数十件までだったり、MVNOを含めオプションで提供される単純な留守電サービスも同じ月額300円で提供されていることが多いと考えれば、これはけっこう良心的なんじゃ? とは思うのだけれど。

利用者向けのダッシュボードでは過去のメッセージの一覧や各種設定が可能
留守電の案内メッセージの内容を編集できるのも気が利いている