「ARROWS Z」買いました

2012年1月23日 06:00
(房野麻子)
サイズはちょっと大きめ。通知パネルを引き出すときは、手の中で持ち替える

 冬モデルが続々発売になり、私もがんばって2機種ほど購入しました。そのうちの1つがauの「ARROWS Z ISW11F」。WiMAX対応でIPX5/8相当の防水、IP5X相当の防塵性能を備え、もちろんおサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信の“三種の神器”を搭載しています。さらに、トレンドのデュアルコアCPU(1.2GHz)です。

 でも、ウキウキで購入したわけではありません。ご存知の通り、発売開始直後に発熱問題が出てしまいました。「通話、インターネット、カメラ、アプリなどを長時間使用したり、充電しながら使用すると、ISW11Fが熱くなることがあります」というやつです。また、Webサイトをちょっと見てみれば、ガクガクだ、カクカクだと酷評されているのが目に入ってきます。こんなケチが付いてしまい、「ARROWS ESの方が動きはいいよなあ」と自分でも認識しながら、なぜARROWS Zを買ったのか。

 理由は単純。スペックです。まずはWiMAX。やっぱりWiMAXはあったほうがいいでしょ、ってことでauの冬モデルでは4機種に絞られました。次に三種の神器。三種すべてが必要というわけではありませんが(赤外線通信で最後にアドレス交換したのは何年前のことだろう……)、おサイフケータイは日常的に使うので、海外製モデルはここで除外。DIGNO ISW11Kとの一騎討ちとなったわけですが、ここでもスペックに影響されてしまいました。「ハイスペックモデルなんだしデュアルコアにしておいた方がいいかなあ」と思ったわけです。

 というわけで、1カ月ほど使っているわけですが、デュアルコアCPUの恩恵は……残念ながらあまり感じられません。動作はガクガクとまでは申しません。メニューの操作、ホーム画面の左右のスクロール、Webサイトのスクロールなんかは十分滑らかで、不満はありません。ただ、アプリの起動にワンクッションあります。「あれ、タッチの仕方が悪かったかな」と思うくらいの間がある場合もあります。

 また、Androidスマートフォンを使い始めた頃、「アプリはホームボタンを押しても終了しないから、メモリを有効活用するためにBACKボタンで戻るように」と教えられ、それを忠実に守っているせいか、アプリを起動したままにして発熱ということはないのですが、戻るときの画面の切り替えがやや遅いと感じます。「あれ、キーの押し方が悪かったかな」と思って2度押すくらいの間がある場合もあります。

 Wi-Fiテザリングは、まだあまり使う機会がなかったので、もうちょっと使ってから判断したいと思いますが、Wi-Fiがうまく機能しないときにWiMAXでサクッと通信できたのは嬉しかったです。日々使っていると、ハイスペックな部分よりも、細かい部分での使いやすさを感じます。中でも、HOMEボタンとMENU、BACKの物理キーは、しっかり押せて安心感があります。シーソー型のせいか、まれにパネルと引っかかるような、噛み合わせが悪いような感触を感じることはありますが、おおむね気に入りました。

ロック解除画面で2つのアプリを起動できるように設定可能

 また、ロック解除画面でアプリを起動できるのも便利。使い始めた当初は、ついそれまでの癖でさっさとロックを解除してしまっていましたが、慣れてきて便利に使えるようになりました。個人的にもっとも重視している「通知パネル」には、Wi-Fi、WiMAX、Wi-Fiテザリングのボタンもしっかり用意されていて、使いやすいと感じます。

 防水にも助けられました。私はパンツの前ポケットに端末を入れて持ち歩くことが多く、また、今は外と室内の気温変化が大きいせいなのか、なんと端末に結露が。あら、ビックリ、でも防水でよかったわ、という小さな事件もありました。そして、富士通端末を使ったことがある方は同意してくださると思うのですが、「ウォーキング/Exカウンタ」も歩きたくなる楽しい機能です。というわけで、動作にはちょっとイラッとすることもあるけれど、今のところ満足して使っています。

いろんなボタンが配置されている通知パネル。日本製端末はここが充実しているのが嬉しい富士通製モデルを使う人はきっと大好きなはずの健康管理アプリ「からだライフ」。ウォーキングカウンターはロック解除画面でも確認できるので、ちょくちょく見ます

 ARROWS Zは「ITリテラシーの高いデジタルガジェット好き」がメインターゲットとされているようで、私自身、別の場所でそんな紹介記事を書いたこともあるのですが、「安易にスペックだけで判断しないこと」という教訓を得ました。ITリテラシーの高い方は、今回はパスされた方も多いのではないでしょうか。でも、(感触の好き嫌いは別にして)しっかり押せるボタンがある、三種の神器がある、NX!comfort UIで初めてAndroidスマートフォンを使う人にも分かりやすい使い勝手、といったことから、これからスマートフォンに乗り換える人には、お勧めしてもいいな、と思ったのでした。