海外ダブル定額は安心だけど……

2012年1月12日 10:46
(法林岳之)

 現在、ボクはアメリカのラスベガスに滞在中。と言ってもカジノやエンターテインメントに興じているわけではなく、2012 International CESの取材中。すでに、本誌記事でも伝えているように、ソニー・エリクソン(ソニー)のXperia SとXperia ion、サムスンのGALAXY NOTEやGALAXY Tab 7.7 LTE、LGエレクトロニクスのSpectrum by LGなどが発表され、富士通がクアッドコア「NVIDIA Tegra3」搭載のスマートフォンを参考出品するなど、今年も注目製品がめじろ押しだ。

 そして、2012 International CESには、米国内だけでなく、日本をはじめとするアジア各国、ヨーロッパなど、世界各国の人たちが来ているんだけど、これだけ人が集まれば、当然のことながら、電話も通信もつながりにくくなってしまう。特に、NTTドコモとソフトバンクのローミング先である米AT&Tは、昨年に比べ、多少は改善された印象があるものの、かなりつながりにくい。これに対し、auのローミング先である米Verizonは比較的、つながりやすく、ボクも日本に居るときと同じように、首からAQUOS PHONE IS13SHをぶら下げ、Gmailやカレンダー、マップなどを活用している。パケット通信料については、1日単位の定額料で利用できる「海外ダブル定額」が利用できるため、約20万パケットまでは1日最大1980円、約20万パケット以降は1日最大2980円で利用できる。

 海外ダブル定額を利用するには、定額対象事業者に接続する必要があるが、今回のAQUOS PHONE IS13SHのように、GLOBAL PASSPORT CDMA対応機種のときは、自動的に定額対象事業者に接続されるため、面倒な切り替え設定をしなくても海外ダブル定額が適用される。もちろん、国内でパケット定額サービスを契約するなどの条件はあるけど。

 これに対し、以前紹介したMIRACH IS11PTのように、GLOBAL PASSPORT GSMにも対応した機種のときは、国と地域によっては複数の接続事業者があるため、ユーザー自身が端末を操作して、接続するネットワークを定額対象事業者に設定する必要がある。

 この設定を間違えないようにするため、auではスマートフォン向けに「GLOBAL PASSPORT」というアプリを配布しており、どの事業者が定額対象事業者なのか、定額対象事業者に接続されているのかを確認できるようにしている。NTTドコモやソフトバンクも同様のアプリを配布しているんだけど、「GLOBAL PASSPORT」アプリ起動時のみに定額対象事業者に接続されているかどうかを確認できるのに対し、「海外パケ・ホーダイ」アプリはAndroidのステータスバーにアイコンで情報が通知されるなど、視覚的にもわかりやすい。

 また、NTTドコモやソフトバンクの国際ローミングでは、渡航先で端末に電源を入れたとき、その国と地域での定額対象事業者や海外での問い合わせ先といった情報が記載されたメッセージがSMSで知らされ、定額対象ではない事業者に接続したときは警告のSMSも送られてくるが、auのGLOBAL PASSPORTではそういったしくみがなく、ユーザー自身が「GLOBAL PASSPORT」アプリや海外利用時の冊子などで確認しながら使う必要がある。

 今回のAQUOS PHONE IS13SHを米国で利用するときのように、必ず定額対象事業者に接続されるケースは大丈夫だけど、auにはもう少し海外でスマートフォンを利用するユーザー向けに、もうちょっと手厚くサポートする体制を整えて欲しいところだ。