iPhoneだってGoogle音声検索

2010年4月12日 06:00
(白根雅彦)

 いまさらながら、「Google音声検索」がスゴイと気がついた。音声検索はその名の通り、声でGoogle検索をしてしまおうという機能だ。Android端末でも使えるが、iPhoneでも「Google Mobile App」をダウンロードすれば利用できる。

 使い方は簡単。アプリを立ち上げ、マイクのアイコンをタップし、iPhoneのマイクに向かって検索したい単語をしゃべれば良い。それだけで検索結果が表示される。アイコンタップの代わりに、電話をするようにiPhoneを耳に当ててしゃべってもOKだ。発音が悪かったり周囲が極端にうるさいとダメだが、適当にしゃべってもちゃんと認識してくれる。

 検索結果は、通常のGoogleの検索と同じように表示される。検索内容に応じて、GoogleマップやYouTubeのアプリをワンタップで立ち上げられたり、映画や天気、乗り換え案内の情報を表示させたりもできる。画像検索やローカル検索、ニュース検索、Wikipedia検索も可能だ。

 そしてこの音声認識、面白いくらいに認識精度が高い。Wikipediaに項目があるような一般的な単語ならば、ほぼ一発で認識できる精度との印象を受けた。

 それも、ただ認識するだけでなく、かなり賢く変換もしてくれる。たとえば「まるちゃん」と発音すると、赤いきつねや緑のたぬきで有名な東洋水産のブランドネーム、「マルちゃん」と認識・変換される。一方、「まるちゃん ねこ」と発音すると、「まるちゃん 猫」と認識・変換してくれる。「まる」というのは、UQコミュニケーションズのCMにも出演している、ネットの猫好き界隈では有名な猫の名前である。会社か猫かを判断し、カタカナに変換してくれたわけだ。

 Googleは同社がWebで収集した膨大なデータをベースとし、日本語入力ソフトウェア「Google日本語入力」を開発している。この音声認識機能も、同様にGoogleの持つ巨大なデータベースを応用しているのだろう。「こんな単語まで?」と思わせるようなものも、しっかりと認識して正しい漢字に変換してくれる。

 ただし、Google日本語入力で変換できる単語すべてを音声認識してくれるわけではないようだ。30代男子向けのわかりにくい例を挙げると、「北斗神拳」や「南斗聖拳」は正しく認識できても、「北斗剛掌波」や「北斗柔破斬」などは認識はされなかった。ちなみに、いずれの単語もGoogle日本語入力なら一発変換可能だ。

 一方で、Wikipediaに項目があるような単語でなくても、有名な技である「北斗百裂拳」や「二指真空把」は音声認識できたので、よく検索されるようなメジャーな単語を優先して認識候補としているのかも知れない。もっとも、認識処理はGoogleのサーバーが行っているので、今後Googleが「この単語の検索が増えたから音声認識候補に入れよう」と判断すれば、認識できる単語も増えていくのだろう。

 このGoogle音声検索、ただ単にいろいろな単語を認識させているだけでも十分に楽しいが、実用性も十分に高い。iPhoneで頻繁に調べ物をする人は、是非ともホーム画面の使いやすい場所に置き、多用したいアプリだ。