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Nokiaのリバイバルモデル「3310」がいよいよ発売

 通信方式は2Gのみに対応するという単機能な携帯電話ながら、Mobile World Congress(MWC) 2017で発表されるや人気を集めている「Nokia 3310」の2017年モデル。懐かしさだけではなく、多機能を極めるスマートフォンを使うことに疲れた人々から大きな支持をうけている。もちろんNokia 3310だけで今の日常生活を送ることはできない。だが、通話をしたい時だけはスマートフォンではなく携帯電話を使うのもいいかもしれない。海外では1番号複数SIMカードのサービスを提供している事業者もあるので、自宅に帰ったらNokia 3310を通話専用に利用する、なんて使い方もできるだろう。

ヨーロッパで発売されたNokia 3310 2017年モデル

 2月の発表から約3カ月が経ち、ヨーロッパの一部の国でこのNokia 3310の出荷がはじまっている。価格は59ユーロ、約7300円。実は今や50ユーロ台で買えるスマートフォンも新興メーカーからいくつか販売されている。しかし、低スペックで反応の鈍いエントリースマートフォンよりも、数字を押せばダイレクトに画面に表示されるNokia 3310のほうが通話用途には向いているだろう。筆者も早く製品を入手したいと思っている。

 Nokia 3310は、まずはヨーロッパで発売され、アジアはその後になると言われている。ところが早くもコピー品が現れ、一部の国で売られているという。たとえば、マレーシアでは本物には無いライトブルーを含む4色のモデルが一部の輸入携帯ショップに入荷しているそうだ。Nokiaのコピー端末は今から10年以上前はよく見かけたが、iPhoneの登場後Nokiaの地位が凋落すると共に市場からは消え去っていった。

デュアルSIMモデルもあるがGSMの2枚仕様。片側3Gモデルを期待してしまう

 そんな過去を振り返ると、Nokia 3310はコピー品でも売れるだけの人気や話題があるということで、古くからのNokiaマニアな筆者としては複雑な心境だ。近いうちに東南アジアの展示会出張の予定があるので、ぜひ実物を見てみたいと思っている。

 ところで、Nokia 3310は今時では考えられないような低スペック機であり、通信方式はGSMの900MHzと1800MHzにしか対応しない。もちろん通話専用と割り切ればこれでも十分な国が多いのだが、最近になりGSMを停波する国が増えてきたことから、せっかくの懐かしい端末を使えない国も出てきている。

 たとえばシンガポールは今年4月1日にGSMの電波が停波された。これにより、シンガポールは3Gか4Gに対応した端末しか利用できなくなったのだ。アジアでもNokiaのファンが今でも多いシンガポールだけに、Nokia 3310が利用できないことを嘆くユーザーの声もちらほらと聞こえるという。また、日本人に人気の高い渡航先である台湾は、6月30日にGSMが停波される。

単純だがハマってしまうスネークゲーム。10キー操作が使いやすい

 Nokia 3310は通話(と懐かしい「スネークゲーム」)用途に限定するため、あえてGSMのみへの対応となった。3Gに対応すればWi-FiやBluetoothを乗せてテザリング機能も搭載してほしい、なんて声も聞かれただろう。そうなれば機能が増えてしまい本来の端末の開発コンセプトと相反する製品になってしまう。

 しかし、GSMの停波が今後各国で進む時代であることを考えると、やはり3Gには対応して欲しかったところだ。もちろん3Gに対応していれば日本でも使える(技適は取得しないだろうから、海外からのローミング利用などに限られるが)。Nokia端末を開発するHMDグローバルには、やはり「Nokia 3310 3G」なる製品を後から出してほしいものである。