みんなのケータイ
一進一退な(?)おサイフケータイのサービス
【arrows NX F-01J】
2017年5月9日 06:00
おサイフケータイ(NFC)対応の端末を一度使い始めてしまうと、非対応の端末をメインにするのは考えられない……というくらいにはサービスが日に日に充実し、体にもなじんでいる今日この頃。我がarrows NX F-01Jも、前回取り上げたように個人番号カードを読み取ることが可能になるなど、活躍の場は知らず知らずのうちに広がっている。
筆者の周辺であったここ最近のおサイフケータイ絡みの動きとしては、NFC対応の複合機を新事務所に導入したことと、Android Payでnanacoが連携を開始したこと。ただ、便利になっていく部分もあれば、いまいちそうとは思えない部分もあったりして、歯がゆかったりする。
まず新事務所に導入した、ブラザーのビジネスインクジェット複合機「MFC-J6995CDW」について。新会社を作り、会社経営していくに当たって印刷・スキャンする場面は多々あるので、複合機は必須なのだ。同機種は以前タイアップ記事で紹介させていただいたこともあり、そのときに複合機としての性能はしっかり把握していたので、導入には迷わなかった。新事務所はシェアオフィスで、狭いワークスペースから考えると大きめの筐体ではあるけれど、なんとか収まっている。
それはともかく、このMFC-J6995CDWはNFCにも対応しており、スマートフォンをかざして写真や文書を印刷したり、スキャンしたデータをスマートフォンに取り込んだりできる。たとえば出先で受信したメールの内容やダウンロードしたPDFなんかを、事務所に戻った後、複合機にスマートフォンをかざすだけですぐに印刷できる。実際に使ってみると、これがかなりはかどるのだ(スキャンの方はまだあまり活用できていないが)。
一方で、楽天Edyに続き、電子マネー第2弾として4月20日にAndroid Payとの連携をスタートしたnanacoは、発表当初は「おお!」と思ったものの、試してみると既存のnanacoモバイルのアプリユーザーには特に意味のない内容で、ちょっとがっかりしてしまった。というのも、Android Payと連携したnanacoができることは、マネーとポイントの残高確認と直近4件の使用履歴表示のみ。専用のnanacoアプリがなくてもかざして支払えるが、オンラインでのチャージはnanacoアプリが必要だ。
nanacoモバイル専用アプリの方が使える機能が多いのは仕方がないとして、混乱させるのがコンビニなどでの「Android Pay対応」の表示。たとえば電子マネー対応のとあるコンビニチェーンでは、レジ前のPOPに「Android Pay」のロゴがApple Payの横に並んで表示されているのだが、実のところ使えるのは楽天Edyのみだ。店員に「Android Payで払います」と言っても「(・ω・)?」という表情をされてしまい、通用しないので注意したい(Apple Payも同様だけれども)。
なので、当然ながらnanaco非対応のコンビニでは、Android Payと連携したところでnanacoは使えない。「Android Payって一体何?」と思わなくもないが、少なくとも前からおサイフケータイをガンガン使っているユーザーにとっては、Android Payという1つのアプリ内で複数の電子マネーの残高が簡単にチェックできる、くらいのもの、と捉えておいた方が良さそう。まあ、それだったら以前紹介したこともある「ラッキータッチ」でもできるし、ポイントが増やせる分ラッキータッチの方がお得なのだが……。
専用アプリが必要ないAndroid Payは、新規におサイフケータイサービスを使い始めるユーザー向け、という意味合いも強いわけだけれど、オンラインショッピングにも使えたりPC(MacBook Pro)との連携もあるApple Payのように、Android Payが多くの人にとってわかりやすく、役立つ電子マネーサービスになるには、nanacoが連携したとはいえまだもう少しかかりそう。NFCとしての使い勝手は高まってきているのだから、バランス良く進化していってほしいなあと思う。