ケータイ用語の基礎知識
第642回:環境センサーネットワークとは
(2013/12/10 12:27)
「環境センサーネットワーク」は、NTTドコモの展開している、気象関連情報を自動的に測定、蓄積するシステムです。降水量や花粉の飛散量、紫外線の照度などを収集しています。
気象庁のアメダスと重複しないよう、基地局設備など設置されたセンサーは、2013年12月現在、約4050カ所に設置されています。将来的には約9000カ所へ拡大するとされています。
密度の高いセンサー
NTTドコモの環境センサーネットワークの特徴は、その密度の高さです。こうした気象観測設備としては、気象庁が利用する「アメダス」を思い浮かべる人も多いでしょう。「アメダス」は日本全国に約1300カ所に観測所が設けられています。それぞれの場所で降水量を測定し、そのうち約840カ所で気温や風向・風速を測定してします。、一方、ドコモの環境センサーネットワークでは、設置箇所がアメダスの約3倍になり、各拠点で気温、湿度、風向風速、雨量、雷、紫外線、花粉を観測しています
この密度の高さは、ドコモの基地局を利用していることで実現したものです。基地局設備に風速・風向計、雨量計、温度計などのセンサーを併設するほか、地方自治体との連携やコンビニ屋上などへの設置を行うことで、最終的には9000カ所の測定拠点の設置を目標にしています。
同じような取り組みはKDDIも、ウェザーニューズと協力して展開しており、こちらは約3000カ所にセンサーが設置されています。
データの活用するアプリ
ドコモの環境センサーネットワークで観測された環境データは、蓄積、加工してサービスとして提供されています。
そのひとつがドコモ自身が提供している「ドコモ環境ライブ」です。これは、スマートフォンや携帯電話、パソコンから利用できる天気情報のポータルです。降水量、気温、湿度、紫外線、風向風速、雷、花粉といった気象情報をリアルタイムで確認できます。天気予報や防災情報、季節ごとの環境対策なども提供されています。
Androidスマートフォン用には「あなたの街のインフルエンザ情報」「美肌UVミラー」といった、環境データを生かしたアプリも提供されています。これらのアプリはドコモユーザー以外でも利用できます。
他社や自治体などでの活用も
ドコモ環境センサーネットワークで測定された環境データは、ドコモ以外の民間企業や自治体、大学などでも利用できるようになっています。
たとえば自治体向けには、災害監視を支援するものとして「防災テレメータサービス」が2012年12月から提供されています。また京都大学の研究所と協力して、局地的な気象現象を調査する実験も実施されました。