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オンキヨーのハイレゾスマホ「GRANBEAT」をオーディオ評論家が愛用する理由
- 提供:
- オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパン
2017年12月22日 12:00
総合オーディオ/AV機器メーカーのオンキヨーが開発したハイレゾ対応スマートフォン「GRANBEAT DP-CMX1」。その圧倒的な音質は、もはや“ハイレゾスマホ”という言葉で表現できる枠を超えている。音楽好きからすると、むしろ“SIMスロット付き高音質プレーヤー”という言い方のほうがふさわしい。普段、オーディオ専門媒体各種でハイエンドオーディオの評論を行っている筆者が、いちオーディオファンの視点でGRANBEATの魅力をお伝えしていこう。
オーディオ評論家にとってのGRANBEAT
実は筆者、GRANBEATを発売直後に購入し、普段からメインのスマホとして使用する愛用者の一人である。もともとiPhoneユーザーだったのだが、オーディオ評論家という仕事柄もあって、持ち歩くスマホの音質には妥協したくなかった。GRANBEATの購入後はその性能に大満足して、メインのスマホとしてiPhoneから乗り換えたというわけだ。
上述の通りGRANBEATは、高音質デジタルオーディオプレーヤー(以下、DAP)に、ディアルSIMスロットが装備されたもの。つまり、ただスマホにハイレゾ対応DACを搭載したモデルとは似て非なる存在であり、オーディオ評論のリファレンス機材としても使用できる実力を備えているのだ。詳しくは後述するが、CDを超える音質のハイレゾ楽曲ファイルのほか、SpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスも高音質で再生可能で、ヘッドホン接続は有線・無線のどちらにも対応する。筆者にとって、プライベートはもちろん、仕事でも使用できるGRANBEATは、最強の相棒なのである。
スマホとしてはミドルクラス
それでは、まず簡単にGRANBEATのプロフィールを見ていこう。ボディサイズは72×142.3×11.9mmとスマホの中では大きめで、5インチ、フルHDのIPS液晶を搭載する。重量は234gで、スマホとして考えると重い。ボディをアルミ削り出しにするという、高級DAPと共通する筐体構造になっているからだ。
そのボディは角の立った先鋭的なラインで、サイドには大型のボリュームノブや曲の再生・停止・曲送りなどができる独立したボタンを装備。こういった部分にも、音楽再生機能を強く意識していることが感じられる。
チップセットはQualcomm MSM8956(1.8GHz×2+1.4G×4、ヘキサコア)。メモリーは3GBで、OSはAndroid 6.0を採用する。また、2つのSIMカードを同時に待受にできる「Dual SIM Dual Standby(DSDS)」をサポート。さらに、SIMカードスロットとは別にmicroSDカードスロットが搭載され、実動最大400GBのmicro SDXCカードが利用できる。128GBの内蔵ストレージ容量とあわせて、大容量のハイレゾファイルをたくさん保存できるようになっている。
カメラ部については、メインカメラは16メガピクセル。ソニー製のExmor RSセンサーとF値2.0のレンズで、鮮やかに描写可能だ。インカメラは8メガピクセル。バッテリー容量は3000mAhと十分な大きさで、急速充電が可能なQuick Charge 3.0に対応し、約90分でフル充電できる。
スペックを見る限り、現在発売されているスマホの中ではミドルクラスのレンジに属すると言えるだろう。Android OSのバージョンが6.0という点が気になる方もいると思うが、ここはオーディオ的な目線での理由がありそうなので、詳しくは後述したい。
GRANBEATのオーディオ的魅力
ここからは、GRANBEATの最大の魅力である高音質オーディオ再生の能力について紹介していこう。その特徴は大きく4点ある。
まず1点目は、先述の通り、本機はスマホではなくDAPであるということ。実は、コアなオーディオファンから高い評価を受けているオンキヨー製DAPのフラグシップモデル「DP-X1A」をベースに開発されたという経緯がある。内部のオーディオ回路は、スマホ用基板と分離した上、「電源回路出力ゾーン」「デジタル変換ゾーン」「ヘッドホン出力ゾーン」の3つのゾーンに分けられている。そのゾーニングとあわせ、各部はシールドで覆われている。これにより、高周波ノイズが飛び交う通信端末内の劣悪な環境下のオーディオ基板の音質・ノイズ対策が施されている。そして、音の要となるDACチップには、ESS社製の上位DAC「ES9018C2M」を搭載する。
筆者の知る限り、現在存在するスマホの中でここまで徹底されたオーディオ部を持つものは存在しない。これだけでも相当な価値があるのだ。
2点目は、CDフォーマットを超える高音質ファイル、いわゆるハイレゾへの対応能力の高さだ。PCM系であれば最大384kHz/32bit(※ヘッドホンアウトでは192kHz/24bitにダウンコンバート。32bit float/integer→24bit)のFLAC、ALAC、WAV、さらにアップル社の製品が対応するALACやAIFFにも対応している。また、コアなオーディオファイルが注目する最大11.2MHzまでのDSDにもPCM変換再生の形で対応しているし、近年ソニーのウォークマンが採用したことでオーディオ業界が注目する新形式のオーディオファイル「MQA」の再生も可能だ。簡単に言うと、GRANBEATは、現在大手ダウンロードサイトで配信されているほぼ全てのハイレゾファイルを再生できるのである。
これは業界としての課題とも言えるが、デジタルファイル再生機器は、その機器が対応するフォーマットやレゾリューション以外のファイルは絶対に再生できない。昨今では、上記のようなハイサンプリングの良質な音源も増えているので、オーディオファンから見てGRANBEATの対応力の高さは大変魅力的なのだ。
3点目は、ヘッドホン接続時の音質対策である。ヘッドホン端子は、マイクリモコン付きのスマホ用ケーブルが使える3.5mm/4極端子の他に、なんと2.5mm/4極のバランス出力端子も搭載されている。ヘッドホンアンプの性能に加え、スペックが高く、バランス駆動のヘッドホンや駆動力が要求されるハイインピーダンスのヘッドホンに対応しているのはすごい。また、Micro USB-B端子は、OTG(On The Go)接続に対応し、外部DACなどにハイレゾフォーマットのままデジタル出力が可能だ。このあたりも含めて、筆者が仕事でも使用できるポイントとなっている。
その上、トレンドであるBluetoothヘッドホンの接続にももちろん対応していて、高音質コーデックの「aptX」の他、最大48kHz/24bit音声のワイヤレス伝送が行える高品位コーデック「aptX HD」までサポートするという徹底ぶりである。
そして4点目は、デジタルファイルとの親和性の高さだ。GRANBEATは、大手ハイレゾ配信サイトのe-onkyoと連携した自動ダウンロード機能を備えている。GRANBEATのメニューから、ブラウザ経由でe-onkyoにアクセスして楽曲を購入すると、そのまま自動的に端末にダウンロードが行える。つまり、パソコンを使わずにGRANBEAT本体でハイレゾ音源を直接購入できるのだ。GRANBEATはもちろんスマホなので、パソコンなしでCDリッピングが行える外付けCD/DVDドライブ「CDレコ」(アイ・オー・データ機器製)を使うこともできる。
つまりGRANBEATは、ハイレゾ音源やCD音源などを入手して再生するまでの一連のフローを、パソコンを使わずGRANBEAT単体で実現できる。しかも、高級DAPと同じレベルの音質で楽しむことができる製品なのだ。
DSDS対応だからこそ、定額制音楽ストリーミングサービスと相性バツグン
そして、流行りの定額制音楽ストリーミングサービスとの相性の良さも見逃せない。DSDS(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)対応のSIMカードスロットが設けられているということは、いわゆる格安SIMを契約して、Apple MusicやSpotifyなどの定額音楽ストリーミングサービスをWi-Fi環境に頼らず高音質で楽しむことができるわけだ。
ちなみに筆者は、SIMスロット1に「nuroモバイル」のデータ通信「時間プラン」(1日5時間までは使いたい放題)、スロット2にY!mobileの「プランS」のSIMカードを装着して使っている。海外渡航時には、現地のSIMカードに差し替えて使うのも良さそうだ。
GRANBEATの音質
では、オーディオ評論家らしく、GRANBEATの本質とも言えるサウンド面について語ってみよう。
その音は、誤解を恐れずにいうと、絶対的な情報量やSN比、高域から低域までのレンジ、そして低音の制動力などの各面において、「一般的なハイレゾ対応スマホ」とは比べ物にならない高いクオリティを備えている。
例えば、女性ボーカルの声にはリアリティがあるし、クラシックを聴いたときのサウンドステージの広がりと奥行きの再現性も高い。EDM(Electronic Dance Music)の再生時においては低域の制動力があって、キレのあるビートを表現してくれる。そしてGRANBEATには、組み合わせるヘッドホンやイヤホンの能力を高い次元で発揮するポテンシャルも感じる。店頭で自分のスマホの音と聴き比べてみれば、すぐにその差がわかるはずだ。
Android 6.0搭載でありながらも頻繁なソフト更新
さて、先述した通り、GRANBEATにインストールされているOSはAndroid 6.0だが、これには理由がありそうだ。というのも、オンキヨー側はこのバージョンのOSで音質を磨き上げたふしがある。だから無責任にバージョンを上げるようなことをせず、様子を見ている可能性が高いのだ。その証拠に、Androidのセキュリティパッチの適用や、本体の機能追加など、メーカーとして随時ソフトウェアのバージョンアップは随時行なっている。
筆者としては、せっかく上手にチューニングされている音質がOSバージョンアップで変化するのは困るので、この選択は歓迎だが、その一方で、バージョンが上がることによるメリットももちろんある。ここはユーザー側から要望を出すのも手だろう。GRANBEATは売りきり型ではなく、しっかりとメーカー側で継続したサポートが行われていることもポイントと言える。
スマホ×高音質音楽ライフの高い満足度
GRANBEATの価値をひとことで言うと「デジタル・オーディオ・プレーヤーとスマートフォンが、高い完成度で融合していること」だ。それによって、「進化の早いデジタル楽曲再生への高品位な対応力」と「有線・無線2つのヘッドホン接続による高音質再生」を実現している。
GRANBEATがあれば、別途DAPを持ち歩く必要性もほとんど感じないはず。筆者もここ最近は、外出時にGRANBEATとお気に入りのヘッドホンだけをカバンに入れて過ごしている。1台あれば、スマホとしての利便性と同時に満足のいく高音質音楽ライフも手に入るわけだ。もちろん価格は決して安いほうではないが、購入後の満足度が圧倒的に高いことだけは最後にもう一度お伝えしたい。