レビュー
「Pixel Buds Pro」レビュー、強力なノイズキャンセルを備えるグーグルのフルワイヤレスイヤホン
2022年7月29日 02:00
高スペックな完全ワイヤレスイヤホン
同製品は、すでに発売されている「Pixel Buds A」の上位モデルで「Pixel Buds」の後継モデルといえる。Pixel Buds Aとはノイズキャンセリング機能やワイヤレス充電がサポートされることが大きな違いとなる。
カラーバリエーションは、チャコール、フォグ、レモングラス、コーラルの4色展開。ケースはいずれのカラーでもホワイトとなる。イヤホン本体はIPX4、ケースはIPX2の防滴性能を持つ。ケースはサラサラした感触でコンパクト。63.2×50×25mmと、少々ふくらむがレディースのジーンズのポケットにもすんなり入るサイズ感だ。下部には充電用のUSB Type-Cポートを備えている。
イヤホンの重さは片側6.2g(Mサイズのイヤーチップ)。装着感は良好で不安定さはない。装着状態を検知して音楽をオンオフしてくれる機能は、細かいポイントだが実用性が高い。
再生時間は、アクティブノイズキャンセリング(ANC)有効時に最大7時間。充電ケース併用時で20時間となっている。5分の充電で最大1時間(ANC有効時)再生できるという。
Androidスマートフォンとのペアリングは「Fast Pair」により、画面をタップしていくだけで終了する。本体ケースの背面にはペアリングボタンも備わっていて、パソコンなどとのペアリングも容易だ。
マルチポイント接続にも対応しており、電話がかかってきたときに自動でパソコンからスマートフォンに切り替わる。パソコンでWeb会議を立ち上げたときも同様に、スマートフォンからパソコンに切り替わった。
完全ワイヤレスイヤホンにありがちな問題が紛失だが、本機は「デバイスを探す」(Find My Device)に対応しており、なくしてしまっても「ロケーション履歴」を有効にしておけば、万が一のときに役立てられそうだ。
タッチ操作
音楽の再生や受話などは、イヤホンの本体をタップすることで操作できる。本体を一度タップすると再生・停止、2回タップで曲送り、3回タップで曲戻し。前にスワイプで音量アップ、後にスワイプで音量ダウンになる。
左右どちらのイヤホンをタップしても同じ操作となり、基本的に機能の変更などはできないようだ。
唯一、長押しした際の動作はANCの切り替えもしくはGoogle アシスタントの起動のどちらかに切り替えられる。
ANCはとても強力
前モデルにはなかったノイズキャンセリングに対応したのは本機の目玉のひとつ。「Silent Seal」技術を組み合わせたアクティブノイズキャンセリングは非常に強力だ。エアコンや複数のパソコン、OA機器が稼働しているオフィス内でもそれらのノイズをスパッと遮断してくれている。
耳に合わせておこなう調整は、ユーザーは何もせずにサンプル音を聞いていればいいが、少々音が大きいので心の準備が必要かもしれない。
一方で、人の声までは遮断しないので話しかけられても気づかないだとか、公共交通機関のアナウンスを聞き逃すといった心配はなさそうだ。ANCはオフにもできるほか、外部音取り込みモードも利用できるため装着したままでも会話は十分にできる。
ANCや外部音取り込みのオンオフは前述の通り、イヤホン本体を長押しすることで操作でき、右耳と左耳、どちらで操作するかはメニューから設定できる。
アクティブノイズキャンセリングは、周囲の騒音を打ち消すため、反対(逆位相)の音を作り出す。そのためイヤホンが外部の音を検知し、逆位相の音を生成するまでのスピードが速ければ速いほど、その効果は高まる。そして「Pixel Buds Pro」では、カスタムスピーカーと、同社が開発したアルゴリズムを処理する6コアのカスタムオーディオチップが用いられており、ノイズキャンセリング処理を高速化させた。このエピソードは、 グーグル公式ブログで開発者が紹介したものだ。
そして、アクティブノイズキャンセリングの効果を高めるためには、密閉性も重要だ。人それぞれ異なる耳のかたちにあわせられるよう、Silent Sealというテクノロジーで、耳のかたちにあわせた調整を実施する。これが先述した「イヤーチップのフィット感の確認」というプロセスだ。場合によっては、付属する、サイズの異なるイヤーチップへ替えられるようにして、不要な音を遮断し、密閉性を高めているというわけだ。
外部の音を取り込む際にも、アクティブノイズキャンセリングと同じ低遅延エンジンが活用されている。イヤホンが周囲の音を聞き取り、すばやくユーザーの耳に届けている。
また耳の奥の気圧をセンサーが常に測定しており、自動的に減圧する仕組みも用意されている。これにより、長い時間、Pixel Buds Proを装着していても、不快感がないよう設計されている。
マイクについては、メッシュ機構が組み込まれ、風切り音などを低減するということで、このあたりはこれからあらためて体験してみたい。
auやソフトバンクでも取り扱い
前モデルであるPixel Budsを踏襲しており高機能な上、待望のノイズキャンセリング機能を備えたPixel Buds Pro。
グーグル直販サイトのほか、auやソフトバンクでも取り扱われる。製品発表時には、2022年後半に空間オーディオにも対応することが明かされている。高音質かつ多機能なイヤホンを求めている人は一度検討してみてはいかがだろうか。