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「東北復興ビジネスプランコンテスト」、決勝の行方は

「東北復興ビジネスプランコンテスト」、決勝の行方は

 8日、東北地方の復興および支援を目指し、インターネットを活用する優秀なビジネスモデルを選出するコンテスト「東北復興ビジネスプランコンテスト」の決勝大会が東京都内で開催された。東北3県を代表する決勝進出者9組によるプレゼンテーションを経て、岩手県立大学の猿舘朝氏が優勝し、賞金100万円が贈呈された。

 「東北復興ビジネスプランコンテスト」は、モバイル業界の有識者による団体「Mobile Creators Summit(MCS)」が主催するコンテスト。昨年11月から福島県、宮城県、岩手県で予選が行われ、各県から3組ずつ、計9組が8日の決勝に出場した。

 決勝大会では、プレゼンテーションに費やせる時間は1組あたり5分と限られ、サービスの特徴や目標、マネタイズの考えなどが披露された。東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方を支援する、という目標を掲げるコンテストでもあり、決勝進出者の示すアイデアには、地方の伝統工芸や観光などに着目したものがあった。その一方で、ユーザーがソーシャルサービスに投稿する写真や動画を活用するサービス、日々の生活のなかにある隙間の時間を活かすスマートフォンアプリなど、地域を問わず利用できるサービスも披露された。

 優勝したサービスは「おんせん」という名称で、スマートフォンにアプリを搭載して“生活音を検知するセンサー”、略して“おんせん”にするというもの。シニア層や聴覚障害者が主な想定ユーザーとされ、たとえばやかんを火に掛けて沸騰するときの音、電子レンジでの調理が終わったときの音、ドアのチャイムが鳴ったときの音など、生活のなかにありふれた音をスマートフォンでキャッチし、視覚で伝わる情報などに変換してユーザーに通知する。スマートフォンだけではなく、光る機器などを使うことで、わかりやすく伝える、ということも想定されている。音を認識する技術は10年ほど、猿舘氏が開発してきたものという。審査員からは、高齢者の利用ということもあって、サービス導入時のコストなどを尋ねる声も挙がったほか、猿舘氏の開発した技術に対して高い関心も寄せられた。

猿舘氏
おんせんの概要
日本マイクロソフトの樋口氏

 出場者によるプレゼンテーションの前には、日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏による基調講演も行われ、起業したあとに事業を拡大する際、必要な要素などが語られた。

関口 聖