microSDカードの売れ筋は16GB以上に、サンディスクが調査


 サンディスクは、2011年3月~4月にかけてiPhoneユーザー500人、Android端末ユーザー500人、フィーチャーフォン所有者でスマートフォンに関心のあるユーザー500人の計1500人を対象に、メモリカードに関する動向調査をインターネット上で行った。

 同調査によれば、Android端末ユーザーの35%以上が16GB以上のmicroSDカードを使用。フィーチャーフォンユーザーは2GBのmicroSDカードを使用するユーザーが34.2%となった。

 Android端末ユーザーのうち、自分でmicroSDカードを購入したユーザーのうち40%は16GBのカードを購入。2GB以下の試供品が同梱された端末を購入したユーザーのうち56%が別途microSDカードを購入している。

 また、8GB以下のカードを使っているユーザーは、より大容量のカードを理想とする傾向が強く、とりわけAndroid端末ユーザー500人のうち67%が16GB以上のmicroSDカードを理想的と回答した。

 microSDカードに保存するコンテンツの種類としては、音楽、動画、写真、アプリの順に容量が大きいという。

(サンディスク調べ)

ユーザーはiPhoneの容量を意識?

スマートフォンの発売時期と同社製microSDカードの販売金額推移の関係
金額ベースでは大容量モデルの比率がより高まる

 同社 マーケティング部 ディレクターの大木和彦氏は、「当社では、これまでにも頻繁に市場の動向をリサーチしてきたが、2010年秋頃から従来売れ筋だった2GBの製品よりも大容量の16GBの製品が売れるようになった」と、今回調査を行うに至った経緯を説明する。

 同氏によれば、メモリカードの市場は、小容量のモデルから大容量のモデルへ、少しずつシフトしていくのが通説だった。しかし、今回は売れ筋が2GBからいきなり16GBへシフトしたため、同氏としても驚いているという。

 なぜ、16GB以上の製品に市場が急激にシフトしたのかという点については、同社としても明確な理由は見いだせていないとしながらも、大木氏は「iPhoneの内蔵メモリが16GBと32GBだったため、ユーザーとしてはこれを一つの基準にしたのではないか」と推測する。

 同氏はまた、「ユーザー自身、過去にメモリカードやDVD・BDのような光学メディアにおいて、容量が足りなくなって、面倒や不便に思った経験があり、常に容量いっぱいで使うよりも多少の余裕がある方がいい、という心理も働いている」と分析する。

さらに進化するメモリカード

大木和彦氏

 ユーザーのニーズはSDHC規格の最大容量である32GBに止まらず、より大容量のカードを求める声も出てきている。これについて大木氏は、「64GB以上を実現するSDXC規格の製品も対応するハードウェアが登場すれば、速やかに対応したいと考えている。鶏と卵の関係のようでもあるが、端末メーカーと力を合わせてニーズに応えていきたい」と語る。

 さらに、同社はソフトバンクモバイルやソニー・ピクチャーズ、オレンジとともに「High Quality Mobile Experience」(HQME)という業界団体を2011年2月に設立している。この背景には、通信事業者が莫大なトラフィックのオフロード先として光ファイバーやWi-Fiを活用しはじめているが、深夜~早朝のオフピークを利用してメモリカードにデータをキャッシュしておくことで、ユーザーの利便性を高められるのではないか、という発想があるという。

 スマートフォンユーザーには欠かせないオプション品となったメモリカードだが、まだまだ進化の途上にあるようだ。

(湯野 康隆)

2011/7/8 11:00