警視庁、賭博サイト摘発でソフトバンクとKDDIに対策強化を要請
警視庁は、7月に公式サイトで賭博サイトが見つかった事件を受け、ソフトバンクとKDDI、および関連事業者に対して対策を強化するよう文書で要請を行った。
警視庁では7月、ソフトバンクとKDDIの公式サイト上で、懸賞サイトの名目で運営されていたサイトを「賭博サイト」として摘発、運営会社の社長を逮捕した。同庁はこの賭博事件の発生を受け、「同種事案防止と、青少年の違法・有害サイト閲覧防止に向けた、事業者による自主的措置を働きかけるため」として、ソフトバンクモバイル、KDDI、ネットスターに文書で対策強化を要請した。
ソフトバンクとKDDIに対する要請内容は、「公式サイトの管理の強化」「青少年の健全育成に資するシステムの構築」「コンテンツ事業者への働きかけ」の3点。フィルタリングリスト提供事業者であるネットスターに対しては、「公式サイトに内在する違法・有害サイトの発見・選別体制の充実」「フィルタリングのさらなる高度化および普及啓発の促進」を要請している。また、コンテンツプロバイダー団体に対しては、「モバイルインターネット事業者への働きかけ」「一般利用者への配慮」を要請している。
一方、前述の賭博事件を受けて、7月22日にはソフトバンクとKDDIが、すでに実施している内容を含めて対応策を案内している。ソフトバンクモバイルは、今回の警視庁からの要請について、「コンテンツパトロールの強化を実施している」とコメントしており、フィルタリングサービスの改善についても、提供事業者と協議しながら対応していく構え。また、賭博サイトの摘発後いくつかのサイトが停止されたことも明らかにしている。
KDDIは、「日々のパトロールは行っている」とし、「具体的に回答できる段階ではない」としながらも、今回の要請を受けてさらに対策の強化を検討する方針。
なお、一部報道では、警視庁が発見したとする「有害サイト」の数が報じられているが、両キャリアの広報部はいずれも「詳細は分からない」としている。
フィルタリングリスト提供事業者のネットスターは、今回の要請を受けて、フィルタリング内容の変更を検討中としている。懸賞サイトについては、賭博事件を受けフィルタリングの基準を厳密にしていくほか、ほかのサービスを提供するサイトについても、青少年の保護や保護者の感覚に合致するよう、カテゴリーの再検討を進めていくとしている。
2010/8/25 19:00