メディアフロージャパン企画、受託放送事業計画を総務省に申請
メディアフロージャパン企画は、携帯端末向けマルチメディア放送に向けた、受託放送事業計画の認定申請を行った。7日に「開設計画認定申請書」が総務大臣宛に提出され、総務省関東総合通信局長の武内信博氏に、メディアフロージャパン企画 代表取締役社長の増田和彦氏が申請書を手渡した。
申請書を手渡した後、増田氏は武内氏に対し、iPadを使ってMediaFLOの概要を説明。「アナログ放送が終わった後の貴重な電波資産を、うまく活用していきたい」と意気込みを述べた。
武内氏(左)に、iPadを用いてMediaFLOサービスのデモを行う増田氏(右) |
申請書を手渡した後、増田氏は集まった記者からの質問に応じた。受託放送事業者の決定など、今後のスケジュールについては、「7月14日に開催される電波監理審議会にかけられて結果が出るのが最速だろう」とし、それ以外の場合では、電波監理審議会のスケジュールから判断して9月以降になるだろうとの予測を示した。また、受託放送事業者が決まれば、同様に委託放送事業者の申請受付が始まり、こちらは「年末までに決まるのではないか」とした。
6月3日に開催されたMediaFLOの説明会でも触れられていたが、放送に関わる事業者が「比較審査で1社に決まるのは、あまり例がないのではないか」としており、「(少なくとも)2社が別の技術を提案しており、結果的には技術の選択になる。どういう形の選択プロセスか、公正中立なのか、我々も注目している」と、総務省の判断を注意深く見守っていく姿勢を示した。
メディアフロージャパン企画 代表取締役社長の増田和彦氏 |
一方、MediaFLOの市場性については、「オンデマンドサービスは通信ということになるが、通信トラフィックの増大は今後も変わらないだろう。毎日不特定多数に配信するコンテンツなら、放送のほうが有利」と、放送型サービスの長所を挙げる。また、コンテンツを利用するユーザー数についても、「通信ではコンテンツに接触している人、積極的に使っている人が、市場の大部分を占めているが、基本は取りに行く形で、コンテンツを使っていない人はたくさんいる。放送型なら、定時に届き、コンテンツに接触する人のすそ野が広がる。通信ビジネスより規模の大きな市場になる」と語り、放送型サービスとしての市場の大きさをアピールした。
2010/6/7 15:24