au草間彌生モデルを展示販売、詩の朗読で世界を語る
草間彌生氏 |
KDDIの高橋氏 |
KDDIは30日、「iida」ブランドの「Art Editions」から発売された「ドッツ・オブセッション、水玉で幸福いっぱい」、「私の犬のリンリン」、「宇宙へ行くときのハンドバッグ」の展示販売会を開催した。会場には、端末を手がけた現代美術作家の草間彌生氏が登場、作品展のオープンニングパーティのような盛り上がりを見せた。
草間彌生は、前衛的な作風で知られる現代美術作家。auが立ち上げたブランド「iida」では、ラインナップの「Art Editions」において、デザイナーではなく現代美術作家の草間氏を起用した。デザイン端末とは異なり、現代美術作品として携帯電話にアプローチするという試みだ。
このため端末は、少ロット生産で芸術作品としての価格が設定されている。「ドッツ・オブセッション、水玉で幸福いっぱい」と「私の犬のリンリン」は各100台、価格はいずれも100万円。「宇宙へ行くときのハンドバッグ」の価格は10万円で、1000台限定販売となる。
展示販売会には、事前に購入を希望していた数十名のユーザーと、各業界の関係者らが集まった。会場のCIBONE青山はインテリアやファッション関連のいわゆるセレクトショップだが、この日は展示販売会に合わせて草間作品がセッティングされた。トレードマークである水玉模様(ドット)が各所にあしらわれ、会場は草間カラーに彩られていた。
発表会で挨拶したKDDIの取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏は、「4月7日の発表から3カ月以上の時間が経ってしまったが、KDDIのスタッフも草間先生に助けていただきながらやっと販売にこぎつけた」と語り、スタッフの労をねぎらった。
拍手で迎えられた草間彌生氏は、今日のためにしたためていた詩を朗読。「iidaの携帯電話を発売し、今宵の皆様に、大きな私たちの喜びを差し上げたいと思います。iidaの携帯電話と、草間の前衛芸術とが一体に交わって今日ここに現われました」と語りだし、「生きていく我々の感性が宇宙の神秘的なたたずまいに轟いて欲しい。なんというすばらしいことでしょうか。この瞬間に発展していく我々の母体の全てをiidaのケータイが醸し出しました。そのことについて皆さんに大いに感じていただきたいと思っています。大いなる人類の偉大なる志を世界に引き込まれて、iida携帯電話は我々の、全ての、いっぱいの世の中に溢れる哲学を、山のように広げていきましょうね」などと、独自の世界観で言葉を紡いだ。
なお、今回の展示販売会では、第1号の購入者に草間氏より手渡しで、作品となる携帯電話が手渡された。「私の犬のリンリン」を購入した男性は、子どもがリンリンのキャラクターが大好きで、機会があれば購入したいと考えていたという。「宇宙へ行くときのハンドバッグ」を購入した女性は、10代の頃からの草間氏のファンとのことで、身近なもので購入できる作品として携帯電話の購入に至ったなどと語った。
会場には契約手続きを行うユーザーのほか、各所に展示されている草間作品を興味深そうに鑑賞する姿なども見られた。
「私の犬のリンリン」の購入者 | 「宇宙へ行くときのハンドバッグ」の購入者 |
■フォトギャラリー
2009/7/30 21:48