「spモードメール」がクラウド化し「ドコモメール」に改称
NTTドコモは、スマートフォン向けに提供しているメールサービス「spモードメール」をクラウド化し、名称も「ドコモメール」に変更して2013年1月から提供を開始する。端末ではアプリで利用し、既存の「spモードメール」に代わるものとなる。spモード(月額315円)を契約したAndroid 4.0以上の端末で利用できる。「ドコモメール」自体の利用料は無料だが、メールの送受信に応じてパケット通信料がかかる。
「ドコモメール」では、Webメールなどのクラウド型のメールサービスと同様に、クラウド上のサーバーに、送受信したメールが保存される。「spモードメール」ではメールを受信するとメールサーバーからメールは削除されていたが、クラウド化に伴いサーバー上に常に保存されることで、従来あったメールバックアップは不要になる。
メールの受信については、従来通り3GやLTE、Wi-Fiのいずれでもプッシュ配信される。Wi-Fi環境では、3GかLTEでプッシュの通知を受けた後、メールのデータをWi-Fiでダウンロードする仕組み。メールのダウンロードにはいくつかの設定をすることができ、ヘッダーのみの受信や、添付ファイルや本文を一括で受信する設定などを選択できるようになる予定。ヘッダーのみを受信する設定では、本文の閲覧の際にネットワークにアクセスする必要がある。メール本文まで一括して受信する設定では、本文の閲覧はオフラインでも行える。IMAPに近い環境だが、独自の方式を採用する。
メールアプリには検索機能が用意されており、端末側に受信したメールについて検索を行える。クラウド上にあるメールの検索は、「ドコモメール」アプリでは行えないが、2013年上期に提供されるWebブラウザ経由での利用では、クラウド上のメール全件の検索機能が検討されている。
クラウド化したことで、3Gなど回線契約のあるスマートフォン・タブレットで、マルチデバイスでの利用にも対応する。マルチデバイスでの利用は、マルチデバイスグループ設定の申込みが事前に必要。主回線を決めた上で、副回線となる端末からもアクセスできるようになる。加えて、2013年上期中には、Webブラウザを利用し、パソコンなどからの利用にも対応する予定。ログインにはdocomo IDを利用する。Webブラウザからの利用となるため、iPadやWi-Fi専用タブレットなど、ドコモの回線契約の無い端末からでも利用できるようになる。
クラウド上のメール保存容量は1GBまたは8万件。超過した場合は古いメールから削除される。サービス開始当初、メール保存容量の追加などはできないが、ユーザーの利用動向を見ながら内容を検討していくとしている。
「ドコモメール」の対象端末はAndroid 4.0以降で、ドコモアプリケーションマネージャーに対応した端末。ドコモアプリケーションマネージャーに非対応の「GALAXY NEXUS SC-04D」「らくらくスマートフォン F-12D」は利用できない。サービス開始当初はAndroid 4.1に非対応だが、2012年2~3月を目標に対応される見込み。既存のドコモのスマートフォン・タブレットは、Android 4.0へのバージョンアップが提供される端末については利用できるようになる見込み。
すでに「spモードメール」を利用している端末から「ドコモメール」に以降すると、「spモードメール」に戻ることはできない。「spモードメール」で送受信し端末に保存されたメールは、そのまま「ドコモメール」のメールデータとして引き継がれるが、クラウド上にアップロードすることはできない。
なお、2013年1月の「ドコモメール」開始以降に発売される端末では、「spモードメール」アプリが「ドコモメール」アプリに置き換わる見込み。
「ドコモメール」に改称、UIも刷新される | クラウド対応となったことで、バックアップが不要に |
フォルダ一覧画面。フォルダを選ぶとメール一覧画面に移行し、タイトルや本文の一部が一覧表示される | メール本文画面 |
2012/10/11 17:26