ニュース

テレビ番組の違法アップロードで違法行為者とプラットフォーム事業者に広告費流れこむ――民放連

 日本民間放送連盟(民放連、JBA)は、違法アップロードコンテンツと広告に関する実態調査の結果を発表した。

 調査期間は2024年11月26日~12月25日。YouTube、Facebook、TikTok、X、オープンWebサイトを対象に、民放コンテンツの違法アップロードと、あわせて表示される広告の実態を調査した。

YouTubeでの違法アップロード、登録者数の多いチャンネルでも

 YouTubeでは、登録者数1万5000人以上のチャンネルについて、少なくとも54のチャンネルが民放コンテンツの違法アップロードを実施していた。違法コンテンツは合計5745件で、再生数はのべ約17億回。

 1再生あたり1回広告が表示され、1インプレッションにつき1円が支払われるとすると、17億円の広告費が流出していることになる。コンテンツのジャンルは、バラエティ・アニメ・ドラマが多く確認された。

TikTokでは、サンプル300アカウントで違法コンテンツが5億回以上再生

 Facebook、TikTok、Xにおいては、在京民放テレビキー5局の25の番組名をキーワードに検索し、違法アップロードを実施しているアカウントをそれぞれ300件サンプル抽出した。

 TikTokではサンプル300アカウントで違法コンテンツが6193件、再生数は述べ5億回以上だった。Facebookではサンプル300アカウントで違法コンテンツが4117件、再生数はのべ1400万回。Xではサンプル300アカウントで違法コンテンツが2469件、のべ1億3000万回以上の再生が確認された。

広告掲出の実態

 本調査では、広告活動の健全な発展に寄与するとしている日本アドバイザーズ協会の会員267社を「大手広告主」と定義した。違法アップロードコンテンツとともに表示されていた広告主は約460社。そのうち、「大手広告主」は84社だった。

 YouTubeでは190社の広告が違法コンテンツとあわせて表示され、52社の「大手広告主」が確認された。5件の違法アップロードコンテンツを任意でサンプル抽出し、それぞれ繰り返し再生すると、「大手広告主」の広告が32~46%の割合で表示された。広告主の業種に偏りは見られなかった。

 違法アップロードコンテンツが多く掲載されている悪質なWebサイトについては、少なくとも44社の「大手広告主」の広告が表示されていた。業種の偏りは確認されなかった。