ニュース

グーグルが今年のベストアプリ・ゲームを発表、アプリ開発者への取り組みを説明

 グーグルは、Androidアプリ開発者をサポートする同社の取り組みについて、報道陣向けに説明した。

増えるアプリ開発者、マルチデバイス対応も拡大

 Google Playは、Androidスマートフォンやタブレット向けにアプリや映画、書籍などを配信するプラットフォームだが、そのアプリ開発の熱は加熱している。

グーグルのコチカー氏

 Google Play Partnerships Vice Presidentのパニマ・コチカー氏によれば2023年、3万5000もの人が初めてのアプリをGoogle Play上で公開した。その背景を「日本人にこの分野での可能性を感じ取ってもらっているのでは」と説明。Google Play インディーゲーム フェスティバルでの受賞者を例に「こうした夢を追うということが現実的に」とコメントし簡単なゲーム開発ツールの提供や先行者の成功例に触れられるようになった環境などが開発者増の波を後押ししていると分析した。

 「#WeArePlay」は7月にスタート。アプリ開発者がなぜそのアプリを作ろうとしたのかといったストーリーが明かされるというもので、すでに49のストーリーが公開されている。

 マルチデバイス対応も積極的に進める。コチカー氏によれば、対応するデバイス台数が増えるごとにゲームのプレイ時間は240%、アプリの利用時間は300%伸びた。複数のデバイスで同一のアプリを利用できることが利便性の向上につながっていると見ることができる。マルチデバイス対応の一環として、海外ではすでに開始している「Google Play Games」のパソコン版も今春に日本で試験的に提供し始めた。

開発者をサポートする

 開発者サポートの一例としては、ローカライズ時の機械翻訳やAIによる開発援助などの仕組みがある。いずれも英語圏での展開にとどまっているが今後、日本を含めた他地域でも展開する予定という。また、Play Pointsなどの新プログラムもスタートしている。

 一方で、個人の開発者には新たに20人以上のテスターが14日以上、アプリのテストを実施しなければならないという制限が設けられた。この狙いについて、コチカー氏は「アプリを公開してから不具合などが発覚すると、非常に大きな問題になる。公開前に十分な数の人たちに使ってもらい、おかしな点があればそれに気づいてもらうため」と見方を示す。

 不具合に気づかず、アプリを公開してユーザーの期待に添えないと「星1」評価をつけられ、その後伸び悩んでしまうケースもあるという。とはいえ、個人や小規模な開発チームでテスターを確保するのは難しいため、友人や家族などにのみ公開する仕組みを用意してフォローする。

 グーグルでは、2023年に日本で人気を集めたGoogle Playのアプリを紹介する「Google Play ベスト オブ 2023」の受賞作品を発表している。ベストアプリは電子書籍(マンガ)の「LINEマンガ」。また「崩壊:スターレイル」がベストゲームだった。

発表の場に登壇したGoogle Play インディーゲーム フェスティバル受賞者の井上達也氏と今冨洸平氏