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Facebook Japanのメタバースに関する説明会、ユニークな新オフィスも見てきた
2022年9月12日 00:00
Facebook Japanは9日、報道関係者向けの事業説明会を同社オフィスで開催した。説明会では同社代表取締役の味澤将宏氏らが登壇し、日本における活動のハイライトを紹介。また、次世代XRクリエイター向け教育プログラム「Immersive Learning Academy」を日本で開始することも発表された。
説明会の後半では、新たな東京オフィスの紹介として、オフィスツアーが実施された。本稿の後半では、そのようすもお届けする。
今後のメタバースの普及に向けて
フェイスブック(Facebook)は2021年10月に、「Meta」(メタ)への社名変更を発表。「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」というミッションを掲げている。
Metaが提供する「Facebook」や「Instagram」といったプラットフォームの利用者数は、全世界で36.5億人を突破した。
社名の変更にあわせて、インターネット上の仮想空間「メタバース」への注力を強調するMeta。味澤氏は、メタバースの特徴として、「没入感」「実際にその場にいるかのような感覚」「相互運用性」を紹介した。
こうしたメタバースの実現に向け、Metaが果たす役割は、ハードウェアやソフトウェアなど、必要なテクノロジー・ツールをサポートすること。代表的なハードウェアとして、「Meta Quest 2」が挙げられる。また、ハイエンドのVRデバイスも年内にローンチされる予定だという。
ソフトウェアとしては、「Meta Horizon Home」「Meta Horizon Workrooms」などが日本でもローンチされた。
Metaは、“責任あるメタバース”を構築するための4つの原則として、「経済的機会」「プライバシー」「安全性と公正性」「公平性と包括性」を掲げる。
日本はメタバース構築のための重要市場として位置づけられており、今後に向けた取り組みの一環として、次世代XRクリエイター向け教育プログラム「Immersive Learning Academy」が発表された。これは、角川ドワンゴ学園との連携によるプログラムとなる。
具体的には、Metaが提供する無料のオンライン学習プログラム「Meta Blueprint」のサイト内で、Spark ARのオンラインカリキュラムが提供されるという。また、ARやVRに関するオンラインワークショップやイベントも展開される予定。
Meta アジア太平洋地域 公共政策統括のサイモン・ミルナー(Simon Milner)氏は、これからのメタバースの普及において、クリエイターが大きな役割を果たすと強調した。
角川ドワンゴ学園 S高等学校の校長を務める吉村総一郎氏は、同校における取り組みなどを紹介しつつ、「メタバースでの学びは、直感的で体感的な学びになる」と紹介。続けて「さまざまなAR/VRイベントを連携して開発したい」と語り、今後への意欲を見せた。
新オフィスはどんな感じ?
続いて、“新しいMeta東京オフィス”が案内された。2021年秋からソフトオープンしたオフィスのコンセプトは、「Metaのカルチャーとアイデンティティを体現したオープンでソーシャルな場」。グローバルでの統一感は保持されつつ、色使いなどで“日本らしさ”がプラスされているという。
オフィスの入口を通ると、まずは「雲」をイメージしたというインスタレーションが目に入る。実に1万8000個のチューブが使われたという力作には、ライトアップされるしかけなども組み込まれている。
続いて報道陣が案内されたのは、ユニークなデザインの社員食堂。Meta東京オフィスでは、社員向けに朝食と昼食がすべて無料で提供される。海外には、夕食も無料で提供されるオフィスもあり、「『Metaに入ると太る』と言われている」そうだ。
ちなみに今日の「Lunch A」は「鯖の照り焼き」、「Lunch B」は“日本唐揚協会”が認定したという「【大阪】鶏の唐揚げ紅生姜風味」となっていた。
オフィス内に設置された巨大なホワイトボード「The Facebook Wall」には、オフィスを訪れた人たちがメッセージなどを残していく。
先にご紹介した「雲」のインスタレーションがある36階には、「電車」をイメージしたインスタレーションもある。カラーリングはビビッドなものになっているが、つり革や座席の質感などは、本物の電車そっくり。窓の外の風景などが変わるしくみなども盛り込まれ、写真や動画を撮っていく人が多いそうだ。
インスタレーションに加え、オフィスの壁にはさまざまなデザインのポスターが貼られている。こういった空間には、「クリエイティブを刺激する」というねらいも込められているという。
屋外には、ルーフテラスも設置されている。Metaでは、「デスクに限らず、一番成果が出しやすい場所やスタイルで仕事をすることが好ましい」としており、たとえば昼食をとるといった用途のほか、ミーティングなどをここで行う社員もいるそうだ。
フロアにはビリヤード台やゲーム、カフェエリアなども設置されており、社員は仕事の合間に気分をリフレッシュできるようになっている。
仕事中に「あ、ケーブル忘れた」というような場合でも、心配は無用。ケーブルや電池、イヤホンなどが手に入る自販機が設置されている。社員証をかざして必要なものを押すと出てくるしくみで、スピーディーな仕事をサポートする。費用は、購入後に部署の経費として処理されるしくみだという。
社内にはVRデバイス「Meta Quest」のデモルームや、動画撮影用のスタジオなども設置。さまざまな工夫でオンオフの区別をはっきりさせつつ、効率よく仕事ができそうな印象のオフィスとなっていた。