ニュース

「5Gから6Gへは遠隔でアップグレード可能」、楽天新CTOインタビュー後編

 楽天モバイルは、同社の公式ブログで、同社CTOと楽天グループの常務執行役員を務めるシャラッド・スリオアストーア(Sharad Sriwastawa)氏のインタビューの後編を公開した。

シャラッド・スリオアストーア(Sharad Sriwastawa)氏

楽天モバイルの技術チームはどんな人が集まる?

 同氏によると、楽天モバイルの技術チームはリスクを恐れず、現状を打破し、未知の領域に踏み出すユニークな人材が集まっていることや、多くの人たちが不可能と言うことを達成するために、互いを信頼して共通のゴールに向かって働いているという。

「会議は英語」が外国人エンジニアに大きなメリット

 外国人エンジニアにとって、言語の壁がある日本で働くことは非常に難しいが、楽天モバイルは、ほとんどの人が英語を話し、会議も英語で行われているため、外国人のエンジニアを採用するためだけでなく、日本でビジネス展開を考える海外企業と仕事をする上でも、楽天社内の"英語公用語化"のメリットがあるという。

技術者不在の自律型ネットワーク実現を目指す

 楽天モバイルでは、完全に自律しオペレーション不要あるいは技術者不在でも動作するネットワークの実現を目指す。

 人の手を介さずにカスタマーエクスペリエンスを向上させる方法や、AIや機械学習で契約者の行動を把握しつつ、ネットワークに問題が起きそうな事象を積極的にモニターするにはどうすべきか、こういった課題への答えを模索している。

 現在、楽天モバイルでは5Gのエリアを拡大中だが、5Gから6Gへの移行時には、基地局に直接出向かずずとも、遠隔でアップグレードすることで、新しい技術を迅速に利用者に提供できるという。

テクノロジーの進歩で、環境負荷を軽減

 テクノロジーの進歩が気候変動への影響を軽減する方法の一例として、たとえば、楽天モバイルは基地局設備を簡素化しているため、機材の運搬にトラックを使わずに電車で小さなユニットを運んで、プラグを差し込んで設置するというアプローチも可能という。

 最新技術を活用して電力効率を高めることだけでなく、完全自動化によって人的な効率も大幅に向上できる。

低軌道衛星で国土の100%カバーを目指す

 低軌道衛星からの電波によって、日本の国土を100%カバー化する取り組みでは、米・AST SpaceMobileと提携している。

 同社との提携について、楽天モバイルのソフトウェア要件を満たせるか、また挙動が安定しているか、遅延や侵入テストなど、近日中に実証実験を計画している。

 実証実験に成功すると、山岳地帯や離島を含め、カバー率100%の達成が可能という。