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非接触でのサバの平均魚体長測定に成功、養殖サバの販売も

 NTTドコモと鯖やグループは、非接触でのサバの平均魚体長測定に成功したと発表した。

 同社は、ICTを活用した新たなサバ養殖モデルの確立を目的に、2020年5月28日に業務提携契約を締結した。その後は、フィッシュ・バイオテックの養殖漁場で実証実験を行ってきた。

 養殖業では、効率的な養殖魚生産管理のために、魚体長および魚体重測定を行う。その際、これまでは漁業者がタモ網で生け簀から養殖魚を数匹取り出し、それを一匹ずつ計測器で測定するという方法を取っていたという。

 同社では、本実験の課題として、「物理的な接触により養殖魚がへい死したり、サンプルで抽出した養殖魚の成長にバラツキがあるため、正確な成長過程を把握できない」と説明する。

 その改善に向け、2020年11月より、アクアフュージョンが保有する超音波式水中可視化技術を活用して、非接触でサバの魚体長測定の検証を行ってきたところ、生簀内を泳ぐサバの魚体長の平均値を高い精度で測定できたとのこと。

 今回の成果により、魚体長測定の作業が効率化され、物理的な接触による養殖魚のへい死を防ぐことが可能となるほか、正確な成長過程を把握することにより、水質データ等と組み合わせることで給餌量の最適化や出荷時期のコントロールが可能となる。

 ほかにも、サバのへい死リスクが高くなる高水温時の対応ノウハウの蓄積などが成果として挙がった。

 同実験の対象である養殖サバは、2021年3月8日より、フィッシュ・バイオテックから「うめぇとろサバ」というブランド名で出荷される。「うめぇとろサバ」は、サバ料理専門店SABAR全店舗と関西を中心とした飲食店で食べられるほか、グッドイートカンパニーが運営する「GOOD EAT CLUBR」でも購入できる。