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高輪の街から未来のコミュニケーションツールを体験できる――ドコモの5GとMagic Leap 1の体験イベント

Magic Leap 1

 NTTドコモは、ウェアラブルデバイス「Magic Leap 1(マジックリープワン)」と5Gネットワークを活用した、JR東日本と共催のバーチャルコミュニケーション体験イベント「Future Gateway~未来とつながる5G×XR~」を7月16日~9月6日まで開催する。

 高輪ゲートウェイ駅の駅前特設会場で、JR東日本が主催する「Takanawa Gateway Fest」イベント内にブースを出展し、「Magic Leap 1」を使用した未来のコミュニケーションを体験できるイベントとなる。

 今回は、報道陣向けに体験会が開催されたため、その模様をレポートする。

高輪ゲートウェイ駅前のイベント会場、入ってすぐの場所にドコモブースを構える
ブース裏のイベントロゴ

新型コロナ対策を実施

 ドコモの5Gを体験できるイベント自体は今年3月の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行で実施できなかったという。

 今回のイベントでも、コロナ対策を万全にしての開催を行う。具体的には、会場入口で来場者の検温や手指の消毒の実施や、同イベントで使用する「Magic Leap 1」を念入りに消毒、案内スタッフのフェイスシールド着用を実施する。このため、体験のインターバルが15分ほどかかる。

 また、会場内や体験時に密になることを防ぐため、「Takanawa Gateway Fest」会場には事前に予約しないと来場できない。「Magic Leap 1」を使用した体験でも、本来6名まで体験できるが今回では1度に最大4人まで体験できるようになるという。

体験で使用する「Magic Leap 1」、ユーザーごとに消毒する

5Gエリアとなるイベント会場内で大容量低遅延を体験

 コンテンツはドコモの5Gネットワーク経由で配信され、複数人同時での体験でも遅延なくスムーズな再生をサポートするという。

 また、このイベントのために会場内に5G基地局を設置した。会場内では手持ちの5G対応端末で5G通信を使用できる。

 ちなみに、「Magic Leap 1」端末自体は5Gには対応しておらず、今回はWi-Fiのバックボーンで5G回線を使用する。ドコモではウェアラブルデバイスを「ポストスマホ」と位置づけており、Magic Leap自体の5G対応についても検討しているという。

会場は車両基地だった場所で広大な空間が広がっている。ブースからはNTTドコモ品川ビルも確認できる

体験の流れ

 イベント会場に入るにはまず事前に予約が必要だが、同体験イベントでは、当日の予約も受け付ける。会場内ではドコモブース以外にもイベントが開催されており、ほかのイベントの合間でも体験してもらえるという。

 実際の体験では、受付時に目の周りを覆う専用のガーゼが用意される。目の周りに端末とふれる部分をガーゼで覆うことで直接接触することを防いでいる。

 「Magic Leap 1」は、眼鏡と併用して使用することができない。このため、端末に装着できる専用のレンズが用意されており、眼鏡を使用するユーザーにも配慮されている。

目の周りを覆うガーゼ
眼鏡着用ユーザー向けの専用レンズ、数種類用意されている

 端末を装着した後、動作チェックや説明を受け、次に実際に体験できるスクリーンの前に移動する。あとは、端末のコンテンツが再生され、体験できる。

本体は後頭部にあたる部分が調整できる
映像は、円形のスクリーンを中心に投影される

XRを使った未来のコミュニケーションを体験

 今回は、未来のコミュニケーションを体験できる。

 ゲストは未来の高輪の街にタイムワープし、世界各地の人々とMR(Mixed Reality、複合現実)を使ったコミュニケーションを体験できる。世界の建物や観光地を体験でき、自分の手でコンテンツを操作できる。

 実際に体験してみると、操作感に若干のコツがいるが手元にほかのデバイスを装着することなく操作ができた。

 また、立体的に表示される映像は、回転させたり横や下から見ることができる。筆者が体験した際は、こちらも遅延なくスムーズに動いていた。

スマートフォンの次のデバイスとして

 ドコモでは、「ポストスマホ」候補の一つとしてMagic Leapなどのウェアラブルデバイスを挙げている。Magic Leapの5G対応を検討していることも、スマートフォンの次のデバイスとしてを意識しているからという。

 また、長時間の装着にも耐えられるように、ヘッドセット部分の軽量化や小型化を実施するという。

 現在は法人からの問い合せが多いというが、個人でも楽しめるコンテンツもあるという。Magic Leapでは、シューティングゲームなどさまざまなコンテンツをアプリとして配信しており、日本でもダウンロードできる。

 また、ドコモでも中身のコンテンツについて、パートナー企業と具体的にすすめているものもあり、近い将来何らかの発表ができるだろうとしている。

 「Magic Leap 1」は24万9000円(税抜)。個人ではなかなか手が出しづらい価格だ。

価格について、同社ビジネスクリエーション部 XRビジネス推進担当部長の奥村 浩之氏は、「端末の販売数が増えれば、自然と価格も落ち着いてくる」とし、まずはMagic Leapの魅力を出していきたいという。
また、パソコンの販売傾向を例に出し、割安な価格帯だけではなく、高価格帯のものを支持するユーザー層にはしっかりと売れていると説明。Magic Leapも、その価値に関心を持つユーザー層からまずは体験してもらいたいという。

 そのうえで、コンテンツの充実などで魅力を挙げていき、市場動向を見ながら価格については検討していくとコメントした。

 同イベントは、7月16日から9月6日までの木・金・土・日曜日に開催する。ただし、8月23日、24日、29日、30日を除く。

 入場は無料だが、会場への入場予約が必要になる。入場予約は「Takanawa Gateway Fest」ホームページから予約できる。