ニュース

ディスプレイのぎらつき度合いの測定方法、JISに制定

 JIS(日本産業規格)は、ディスプレイ上のぎらつき現象の測定方法を、「ディスプレイのぎらつき度合の求め方」(規格番号JIS C 1006)として制定した。

ディスプレイのぎらつき度合の測定原理(出典:JIS C 1006:2019、以下同)

 スマートフォンなどのディスプレイには、照明用の光源などが映りこむ現象を低減するため、表面に防げんフィルムを貼り付けるなどの対策を施しているが、フィルム表面の微細な凹凸がディスプレイから出る光を拡散し、画面がぎらついて見える現象を発生させる場合がある。

 ディスプレイのぎらつきは、利用者の目の疲労を引き起こす原因になると言われており、メーカーでも、ぎらつきを抑えるための技術開発が進められている。これまでは、目視などによる主観的な方法で評価が行われており、公平に評価するための指標や測定方法などがなかった。

 JIS C 1006では、ディスプレイのぎらつき度合を示す指標(ぎらつき値、ぎらつきコントラスト)を規定し、その測定方法と求め方について標準化した。

撮影するディスプレイの発光パターン

 測定は測定環境下でディスプレイをカメラで撮影し、撮影した画像から得られたぎらつきパターンと、ぎらつきパターンをもとに作成した階調データから平均値、ぎらつき値、ぎらつきコントラストを算出し評価を行う。

ぎらつきパターン(上)と階調の度数分布例(下)

 視感によるぎらつきが小さいほど、階調が均一となるため、度数分布は細く鋭い形状となり、ぎらつき度合いが小さくなる。一方で、視感によるぎらつきが大きいほど、階調が不均一となり、度数分布の広がりが大きくなり、ぎらつき度合いが大きくなる。

 ディスプレイのぎらつき性能を適正に評価できるようになったことで、メーカー間での客観的な評価が可能になった。また、製品品質の把握、製品比較の公正化を図るとともに、取引の円滑化の促進、国内メーカーの国際市場競争力の向上も期待される。

液晶ディスプレイにおける測定例

 2019年12月のJIS公示では、JIS C 1006のほか、商品管理に使われるRFIDマーク(JIS X 6352)など、4件のJIS規格制定が行われ、21件の改正が行われた。