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IoTでイノシシを自動捕獲、KDDIが実証実験

 福島県国見町とKDDIは、イノシシによる農作物被害の低減を目指し、IoTを活用した自動捕獲の実証実験を開始する。

 国見町は桃やプラムなどの産地だが、近年イノシシなどによる食害が拡大し、人的被害の発生も懸念されているという。また、全国的に見ても、野生鳥獣による農作物被害は年間164億円におよび、そのうちイノシシによる被害は約48億円とされ、深刻化している。

 国見町では有害鳥獣の駆除や侵入防止柵の整備といった対策を行ってきたが、狩猟者の高齢化による人手不足、定期的な見回りの負担などが課題となっている。そこで、KDDIやKDDI総合研究所と協力し、遠隔監視カメラの活用など、効率化のための取り組みを2018年1月から行ってきた。

 今回の実証実験では、まず、囲いわなへの動物の接近をセンサーで検知し、メールやアプリを通じて狩猟者に知らせる。通知を受けた狩猟者は、カメラ映像を通じて動物の種類や頭数を確認し、遠隔操作でわなを作動させて捕獲できる。また、複数のセンサーでわなの内外の状況を判別し、自動で捕獲するモードも用意される。