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夏のお出かけに「南極研究所体験」という選択肢、キッザニア×KDDIでペンギンを数えるお仕事

 季節はまさに夏休みシーズンへ突入。息子や娘に「どこかに連れて行って」とせがまれている父親、母親は多いのではないだろうか。そんなときには「職業体験」もひとつの選択肢かもしれない。

 子供がさまざまな職業を体験できる、職業体験施設「キッザニア」(東京・兵庫)。同施設にはおよそ60種類以上のパビリオン(体験コース)があり、ひとつのパビリオンでも複数の体験内容を用意しているため、その体験内容は100以上にも及ぶ。そして今回、限定のパビリオンがオープンした。

限定オープンの「南極研究所」パビリオン

 2019年限定の「南極研究所」パビリオンは、キッザニア東京およびキッザニア甲子園において期間限定でオープンしたパビリオン。体験者のこども達は、ビデオで南極についての説明を受けたのち、南極地域観測隊の一員となり、生物学者として、南極に生息するペンギンの個体数の観測をすることができる。

 キッザニア東京の場合、パビリオン内部に南極の土地を模したジオラマが設置されている。リアルに再現された極地には、「アデリーペンギン」という体長約70cmほどの比較的小型に分類されるペンギンの群れが鎮座している。

キッザニア東京でのジオラマを用いた観察の様子
キッザニア甲子園での学習の様子
ドームを用いた映像学習

 参加するこども達は、窓からこの極地を覗き、実際に南極観測隊が行うようにカウンターで、ペンギンの数を数え、最終的に係員に報告、ペンギンの数を集計するという流れ。

ペンギンの数を報告、集計中

 キッザニア甲子園の場合、ジオラマではなく、タブレットを使用した360度のVR映像を見ながら、同様に手動式カウンターを用いてペンギンの数を計測する。また、キッザニア甲子園の場合、実際に南極にある昭和基地のレドームに見立てたドーム型シアターもある。ドーム内に投影するリアルな南極の映像を体験することができるという。これらのVR技術はKDDIの提供によるもの。

 「南極研究所」で職業体験を修了した際にもらえるキッザニア内専用通貨「キッゾ」は8キッゾ。キッゾはキッザニア内で口座を開設して貯蓄できるほか(金利つき)、キッザニア内でソフトクリームを買ったり、自動車教習所(シミュレーター体験)に通ったりなどのサービスを利用するために使うことができる。

 「南極研究所」パビリオンを体験した、新豊洲から来たという9歳の女の子は、「ペンギンなど動物が好きで参加した。思ったよりもいろいろなことを教えてもらえた。こうした職業にも興味を持てた」と満足そうな笑顔で感想を語った。

南極観測隊の職業体験を未来を考えるきっかけに

 KDDIでは、毎年1名の越冬隊隊員を昭和基地に送り出している。昭和基地における同社の役割は、昭和基地と日本との通信の保全。昭和基地で利用される電話、最近ではLINEなどでの利用も多いというインターネットの環境を守っているという。

 実際にKDDIの社員で第59次南極地域観測隊に参加した、KDDI ソリューション事業本部 プロダクト推進部 マネージャー 齋藤勝氏(写真左)は「ブリザード(極地特有の暴風雪)は年に十数回もある。ひどいときには視程は100mにも満たない。陽が沈まない『白夜』が40日間続く一方で陽が登らない『極夜』もまた同じように続く」。

 と、極地での過酷な体験を語る。しかしその一方で極地ならではの体験がまた癒やしにつながるという。同氏は「過酷な一方で、南極でしか見られない自然、オーロラやペンギン、アザラシなどにはとても癒やされた思いだ」と語る。

 極地の仕事は、動物や植物、自然現象などを観測する「観測系」という仕事と、通信をはじめとした設備関連や調理など「設営系」という仕事に分かれるという。齋藤氏は、通信設備を担当する設営系を担っていたが、それでもたまには動物の観測などの手伝いをすることもあったという。わずか数十名足らずで、すべての仕事をこなす必要がある越冬隊には相互協力が欠かせないのだろう。

 齋藤氏は、「(極地で)昔の地球を知るということは、未来の地球の姿を知ることにもつながると思う。子ども達には、少しでも南極に興味を持ってもらい、これからの地球環境を支えてもらいたいと思う」と語った。

未来の職業体験をデザインする

 通信事業をベースに、コマース、ヘルスケアやエンターテイメントなどで、5GやIoTを活用することで、サービスや料金プランを超えた新たな「体験価値」を提案を目指すというKDDI。

 5Gを通じて、イノベーションを創出するというKDDIは、キッザニアとの協業で次世代のキッザニアを共創したいと、KDDI ライフデザイン事業本部 auスマートパス推進部 編成企画グループリーダー 野村友豊氏は語る。キッザニアが掲げるエデュケーションとエンターテイメントの融合「エデュテイメント」に5GやIoTをかけ合わせて、未来の職業体験をデザインするのが目標という。

展示されている極地用装備品

 近い将来には、今よりも宇宙飛行士が増えているかもしれない、センサーや画像認識の技術の進化により、農業にもIoTデバイスが取り入れられ、いまの農業とはまったく違うものに進化しているかもしれない。

 そうした未来を見据えて、KDDIでは、キッザニアの街を出て、実際の仕事場を体験するプログラム「Out of KidZania」の一環として、福島県喜多方市において、花火が上がった際のシミュレーションや、長崎県平戸市において、ドローンをプログラミングして、いちごの栽培状況を監視する体験などを提供している。

 いずれは、「Out of KidZania」のみならず、キッザニアでも未来の職業体験を展開したいと野村氏。

 「南極研究所」パビリオンは、キッザニア東京およびキッザニア甲子園の両地でオープンしている。それぞれのオープン期間は、キッザニア東京が10月31日まで。キッザニア甲子園が2020年1月31日まで。これからの行楽シーズン、家族でのお出かけ先の候補に入れてみてはいかがだろうか?