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富士山の山小屋なら宿泊料もau PAYで支払える、KDDIと御殿場市

登山前に気象情報、駐車場の混雑状況も確認可能に、インバウンド向けサービスも強化

 KDDIと御殿場市は、富士山をより安心安全、快適に楽しむための取り組み「Mt.Fuji Trail Station(マウントフジ トレイルステーション)」を実施し、富士山でau PAYの利用や気象情報提供などのサービスが開始される。

 「Mt. Fuji Trail Statoin」および富士山で行われるサービスは、富士山登山者がより快適に富士山を楽しめるように行っている取り組み。トレイルステーションが開設されて6年目となる今年は、新たな4つの、KDDIと御殿場市が共同で進めるサービスが提供される。

KDDI 理事・中部総支社長 渡辺道治氏
静岡県御殿場市 副市長 瀧口達也氏

 KDDI 理事・中部総支社長 渡辺道治氏によると、新たなサービスは御殿場市がこれまで抱えていた問題を、KDDIの掲げる「通信とライフデザインの融合」という考え方で生み出した解決策だという。

今年から始まる新たな4つのサービス

山小屋でのau PAYの利用開始

 2019年からは、富士山の山小屋「赤岩八合館」と「砂走館」の2カ所でau PAYの利用が可能になる。

カメラでQRコードを撮影
支払い金額を入力
支払い完了

 登山中では、リュックの底にある財布を探すために時間がかかってしまうということが多い。しかし、スマートフォンは緊急用のために比較的取り出しやすい場所に持っていることが多く、登山者は余計な現金を持つこともなく簡単にau PAYで食事や山小屋の宿泊料金を払える。

 KDDIでは、登山者側のメリットに加え、山小屋としてもお釣りの精算などが不要になり、双方にメリットのあるシステムだとしている。増加する中国人観光客のためにWe Chat Payや支付宝なども使用できる。

 山小屋でのau PAYは、赤岩八合館では7月10日~9月3日まで、砂走館では7月10日~8月31日まで利用できる予定。

気象情報、登山の快適度を確認できるサービス

 山小屋や、「Mt. Fuji Trail Station」に気象センサーを設置し、Web上で登山者に天候に関する気象情報を提供するサービス「ミエルフジトザン」が提供される。

 急変することの多い、山の天候を確認することができる。登山に出発する前、登山口に到着時に山頂の天気を確認することで安全な登山が可能になる。

アイコンで表示されるのでわかりやすい
景観を壊さないような塗装が施されている
山頂の天気も確認できる

 今年は、ウェザーニューズとの連携により、提供情報がアップグレードされた。気温や湿度に加えて、気圧や紫外線などの情報も加わる。今日の天気が登山に適しているかの「山岳快適指数」、雨が降るかどうかのレインコート指数などわかりやすいアイコンでの表示や、気温や風速を「現在」、「3時間後」、「6時間後」の時間軸で確認することが可能。

 センサー自体は既存のものだが、富士山の気候に合わせて砂塵よけなどを追加。また景観を壊すことのないよう塗装されているという。7月10日~9月10日まで利用できる。

駐車場混雑状況確認サービスの実施

 御殿場新五合目駐車場の出入口にIoTセンサーを設置。その地点を通過する車両をカウントし、駐車場の混雑具合をウェブ上で確認できる。

通過する物体の長さを計測して自動車を判定している
本体下部に3つのセンサーが搭載されている
Web上で混雑状況を確認可能。更新は15分毎

 これまで、登山客から駐車場に行ったが満車で止められなかったという声が多く御殿場市に寄せられていたという。今年からは、御殿場新五合目第二駐車場および第三駐車場において混雑状況の確認が可能となるため、出発前や到着前に駐車場の状況を確認できるようになる。

 3つのセンサーで人や自転車と自動車を見分けることが可能であり、観測したデータは15分ごとにアップデートされる。7月10日~9月10日まで利用できる。

観光情報翻訳タクシーサービス

 光タクシー、御殿場タクシー、富士静岡タクシーの3社において、タクシーにタブレットを搭載し、登山客、観光客に向けた御殿場市の観光情報を提供する。

話しかけるだけで行き先を決定できる
同じ内容が運転手側のタブレットにも表示される
対応言語一覧

 従来は翻訳サービスのみを提供していたが、今年からは新たに観光情報も提供する。タクシーの前席ヘッドレストに装着されたタブレットに話しかけるだけで、レストランや観光地などへの案内が可能。翻訳結果は運転手側のタブレットにも表示される。

 言語は英語や中国語など10カ国語に対応する。7月10日~9月10日まで利用できる。

事故なく、富士山をもっと楽しんでほしい

 KDDI 理事・中部総支社長 渡辺道治氏は「新しい価値体験を提供したい。携帯電話エリア整備は引き続き行っていく。安心、安全、快適に富士山を楽しんでほしい」と語った。

 静岡県御殿場市 副市長 瀧口達也氏は「今年1年、事故なく良い思い出を残してほしい。昨年度からは、KDDIと包括的連携協定を締結した。ラグビーやオリンピック、パラリンピックなどで観光客に御殿場市を満喫してもらえるよう、インバウンドの受け入れ体制やインフラ整備を着実にしていきたい」と語った。

 「Mt.Fuji Trail Station」は、7月10日~9月10日まで開催、運営時間は平日AM5:00~PM4:00まで、土日祝日はAM5:00~PM5:00まで。