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シャオミのゲーミングスマホ「Black Shark2」をTAKUMI JAPANが日本展開

増田氏「圧倒的にぶっ飛んだ製品を展開していく」

 TAKUMI JAPANは4月16日、ゲーミングスマートフォン「Black Shark2」を日本で発売すると発表した。海外ではメモリ・ストレージ容量が異なる複数モデルがラインナップされているが、最もハイエンドな、メモリー(RAM)が12GB、ストレージ(ROM)が256GBモデルのみを販売する。価格は9万9800円(税抜)。

 同日より予約も開始した。取扱店舗はビックカメラ、ヨドバシカメラ、Amazon.co.jp、自社公式サイト。なお製品の出荷は5月後半となる予定。

TAKUMI JAPANの増田氏(右)とBlack Sharkの副社長であるDavid Li氏
国内販売の概要

ドコモ・ソフトバンクのプラチナバンドに対応した日本仕様。修理サポートも

 TAKUMI JAPANは「KAZUNA(和匠)」のブランドを掲げ、翻訳機「KAZUNA eTalk5」を開発・販売している。「FREETEL」ブランドでMVNO事業やスマートフォンの開発・販売を手掛けた増田薫氏が新たに立ち上げた会社だ。

 今回販売する「Black Shark2」は、中国Xiaomi(シャオミ)が出資するBlack Shark社が開発、この3月よりグローバルで販売を開始したモデル。いわゆる「ゲーミングスマホ」で、プロセッサーやタッチパネル周りで高い性能を誇るのが特徴。液体による本体冷却機能などの先進機能も搭載した。

「Black Shark2」

 ディズプレイは6.39インチのAMOLED(1080×2340ドット)。チップセットはクアルコムのSnapdragon 855(2.84GHz)で、GPUはAdreno 640。メインカメラは4800万画素(4in1)+1200万画素のデュアルカメラで、フロントカメラは2000万画素。

 バッテリー容量は4000mAhで、Quick Charge 4.0をサポート。充電・外部端子にはUSB Type-Cをを採用する。本体サイズは約163.61×75.01×8.77mm(凸部 約9.57mm)。重量が約205g。

 メモリ・ストレージ容量が異なる複数のモデルがすでに海外で販売しているが、日本ではこのうち最もハイエンドなRAM12GB・ROM256GBだけを販売する。

 本体カラーはシャドーブラック、グローリーブルーのほか、海外では新色のフローズンシルバーも、国内では当初よりラインナップする。

 データ通信で使うモバイル網の対応周波数は日本に最適化。本体内部の基板なども海外モデルから変更されているという。サポートする通信方式と対応バンドは、FDD LTEがB1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B19/B20/B28、TDD LTEがB34/B38/B39/B40/B41。TD-SCDMAがB34/B39、W-CDMAがB1/B2/B5/B6/B8。GSMもサポートする。

 ドコモ、ソフトバンクのプラチナバンドが含まれているほか、DSDV対応であることも増田氏が明らかにしている。

 Wi-FiはIEEE802.11 a/b/g/n/ac。Bluetooth 5.0でaptX、aptX HD、LDACをサポートする。

スペック

 なお先着3000名の先行予約者に対しては、特典として専用の本体保護ケースとコントローラー(スティック・物理ボタン搭載)のセットが、無償で提供される。横持ちしたBlack Shark2の左右にコントローラーを取り付け、ゲームを遊ぶことができる。

 このほか、Black Shark2の日本国内の修理サポートなどについては、TAKUMI JAPANが対応するとしている。

予約特典の概要
背面。Sマークの部分は明滅する
左側面
右側面。電源ボタン、イルミネーションの他、ゲーム関連メニュー立ち上げ用のスライドスイッチがある
充電端子はUSB Type-C
メインカメラはデュアル仕様
メインメニューはオーソドックス
一方で、設定画面にはイルミネーション関連がギッチリ
側面スイッチから起動するゲームモード
オプションのケースとコントローラー

ぶっ飛んだ海外製品を、開発者の思いそのままに日本で

 16日には、TAKUMI JAPANによる製品発表会が都内で開催された。翻訳機「KAZUNA eTalk5」において、新たにQRコード決済機能の追加を発表するなど、自社製品の着実な強化を図る一方、いわば別ブランド的に「KAZUNA selection」の枠組みを設け、優れた海外製品を日本の顧客に対していち早く提供したいとの狙いが増田氏から語られた。

 「私は、いわゆる“変態端末”が好きで、海外には『これはすごいぞ』『ぶっ飛んでるな』という製品も多い。そうした製品を、KAZUNAのブランドではなく、本来のブランドのまま──なぜなら開発者はもともと強い思いをブランドに込めているので──日本で展開していきたい」(増田氏)

増田氏

 Black Shark2はその「KAZUNA selection」の第一弾製品にあたる。増田氏は数カ月前に初めて製品に触れ、技術力の高さ、開発者の情熱を感じ、日本展開を決めたという。

 Black Shark2の本体(外装)は金属とガラスの二重構造とすることで、美しさと堅牢性の両立を狙った。また、背面や側面には、ゲーミングPCを思わせる派手なイルミネーション機能を搭載したり、画面のベゼルを左右等間隔にして操作性に配慮したりするなど、随所にこだわりが詰まっているという。

デザイン面での特徴

 ゲーミングスマホは高スペックゆえに、端末が熱を持ちやすい問題がつきまとう。Black Shark2では液冷機構で放熱効果を上げつつ、これを充電中でも適用させるようにした。Quick Charge 3.0/4.0などの高速充電機能は一般的に、端末が高温になっている状態では適用されず、通常速度での充電となってしまう。Black Shark2では高負荷なゲームプレイ中でも、高速に充電できるよう、独自の冷却機構を盛り込んだ形だ。

冷却構造

 このほか、アンテナ配置にもゲーム最優先の思想が盛り込まれている。スマホでは一般的に、本体の四隅にアンテナが配置されている。しかし、FPSゲームなどを楽しむために本体を横持ちした場合、手でアンテナを覆いこむ形になってしまい、電波強度を弱め、通信速度の低減、ひいてはゲームの勝敗面にも悪影響を及ぼしかねない。Black Shark2ではアンテナの増設などでこの問題の解決を図った。

 熱対策、電波対策と並んで、Black Shark2ではタッチパネルの応答性・操作性も強化されている。タッチレポートレートが240Hz、反応速度は約43.5msとしている。

アンテナ配置
別売りケーブルの併用で、スマホの画面をHDMI出力可能

「年内に数回、発表会を予定」

 会見では、Black Sharkの副社長であるDavid Li氏がゲストとして登壇した。Li氏は日本のゲーム関連市場にたいへん注目していると説明。特に最近はeスポーツにスポットがあたっており、高額な製品の動きが目立つなと、市場が活発化しているとの見解を示した。

David Li氏

 増田氏は、Black Shark社のゲーミングスマホ開発力が、ハードウェア・ソフトウェアの両面でずば抜けていると賛辞を送った。また、両者のタッグは今回の1回限りでなく、継続させていくという。

 最後に増田氏は、TAKUMI JAPANとして年内に数回、発表会の開催を予定していると発言。新製品・新サービスに期待して欲しいと呼びかけた。「とはいえ、変態端末にすぐ飛びつくつもりもない。Black Sharkのように、圧倒的にぶっ飛んだ製品だけを手がけていきたい」(増田氏)。

 そのヒントになりそうなのが5G関連だ。発表会の会場では、5G対応の家庭用ルーターおよびモバイルWi-Fiルーターのモックを展示。クアルコムの5G通信チップ「SDX 55」を搭載する予定としていた。

5G対応をうたう家庭用ルーターのモック
こちらはWi-Fiルーター。5G対応とすべく、開発中という
販売中の「KAZUNA eTalk5」。4月16日にバージョンアップが実施され、QRコード決済レジ機能が追加された