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9月末のMVNO契約は934万回線、IIJがシェア1位に

 MM総研は、国内MVNO市場の推移を調査し、2017年9月末の実績を発表した。

 同社によると、2017年9月末時点で独自サービス型SIMの回線契約数は934.4万回線となり、2016年9月末の657.5万回線から42.1%増加した。

独自サービス型SIMの市場規模

 日本国内の3Gおよび4G LTEを合計した契約数に占める、MVNOによる独自サービス型SIMの契約数比率は5.7%となった。2016年9月末の4.1%から1.6ポイント増加しているが、MNOの新料金プランやY!mobileの影響によって、個人向けスマートフォンにおけるMVNOの成長にはブレーキがかかったと同社は分析している。

携帯電話(3Gおよび4G LTE)契約数に占める独自サービス型SIMの契約比率

 事業者別のシェアでは、IIJmio等を提供するインターネットイニシアティブが1位で13.9%、OCN モバイル ONE等を提供するNTTコミュニケーションズが12.2%で2位、楽天モバイル等を提供する楽天が11.4%で3位、mineoを提供するケイ・オプティコムが8.2%で4位、UQ mobileを提供するUQコミュニケーションズが6.4%で5位となった。

 個人向けサービスに限定すると、楽天のシェアが1位になるという。また、11月1日付けでプラスワン・マーケティングの「FREETEL SIM」などの通信サービスを楽天が継承したことにより、同日以降は全体シェアでも楽天が1位になる見通し。

独自サービス型SIMの事業者シェア

 なお、事業者別シェアの集計において、NTTコミュニケーションズの契約数にMVNEとして提供されている回線の一部をカウントしていたが、今回の集計分よりこれを変更。約32万回線をNTTコミュニケーションズの契約数から除外した上でシェアを算出している。

 MM総研では、独自サービス型のSIM契約数を2018年3月末時点で1075万回線と予測。2017年初期の予測と比較して95万回線の下方修正となる。下方修正の要因は、MNOによる新料金プランや、Y!mobileの攻勢によってMVNOへの流入が大幅に減少しているためで、競争環境に大きな変化が生じない限り、同様の傾向が継続すると分析・予想している。

 MNOやサブブランドとの競争によって個人向けのスマートフォンの用途ではMVNOの成長スピードが鈍化するが、2019年度以降はIoT向けの需要拡大が期待され、2022年3月末時点におけるIoT向け回線比率は20%を超えると見られている。

独自サービス型SIMの市場規模実績および予測(契約回線数)