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LINEとキリンがポイント自販機「Tappiness」いよいよ開始、友達・家族へプレゼントも
2017年4月13日 15:59
キリンビバレッジバリューベンダーとLINEは、自動販売機にビーコンを繋げ、ドリンクを買うとポイントが貯まるサービス「Tappiness(タピネス)」の提供を開始した。まずは首都圏、近畿圏で開始し、今夏以降は全国主要都市で展開する。1年後には、2万台の自販機で利用できるようになる。
使い方
タップしてハッピーになって――そんな想いで名付けられたという「タピネス」は、自販機を利用してポイントが貯まるサービス。利用時にはスマートフォンのBluetooth機能をONにし、なおかつLINEの設定画面で「LINEビーコン」をONにしておき、(AndroidはLINEに位置情報を利用できるよう許可する)その上で自販機にLINEをかざす。すると、自販機側で「Good」LINEを使ったポイントサービスであり、ドリンクを買うときには、現金のほか、電子マネーかLINE Payで支払うこともできる。
キリンの自動販売機の場所までは案内されないが、LINEを起動した状態であれば、ビーコンが設置された自販機が10m以内にあると画面上で通知してくれる。
1本につき1ポイント貯まり、15ポイント貯まるとドリンク1本分が無料になる特典チケットが発行される。
特典チケットはLINEを通じて友達へ贈ることもできる。
サービス開始を記念して、初めて「Tappiness」対応自販機でドリンクを買うと10ポイントプレゼントされる。5月にも特典チケットのプレゼントが別途、実施される。
リアルとの接点増をはかるLINE
あらゆるものを近づける(CLOSING THE DISTANCE)という理念を掲げるLINEにとって、リアル(オフライン)とネット(オンライン)の融合をはかる動きは必然だ。スマートフォンにおけるデファクトスタンダードであるLINEではスマートポータルという構想を掲げ、さまざまな機能/サービスを追加して、単なるメッセージングサービスの枠を超えた動きを続けてきたが、リアルへの進出にも貪欲。その仕掛けの1つは決済サービスの「LINE Pay」であり、もうひとつが、今回利用される「LINEビーコン」だ。
ビーコンについてLINE代表取締役社長の出澤剛氏は「オンラインとオフラインは断絶があるが、何らかの形で繋げる必要がある。これまではLINEのアカウントをフォローしたり会員登録したりする必要があった。でもビーコンはシームレスに繋いでくれる」と述べ、NFCなど他の手段と比べて、今の技術では実装しやすく現実的な仕組みにしやすいと評価する。
既にいくつかの店舗でビーコンの導入を進めているとのことだが、自動販売機というタッチポイントは、その設置数の多さがインパクトになると出澤氏。1年後にビーコンを設置する2万台という数は、キリンが展開する自販機27万台強からすると、わずか1割にも満たない数だが、それでもネット企業のLINEにとっては、都市部を中心にLINE PayやLINEそのものの利用機会を創出する効果を、広い面積で生み出せることになる。直接的な収益効果というよりも、「Tappiness」によって「LINEってこんな便利に使えるんだとアピールしたい」(出澤氏)のだという。
若年層獲得目指すキリン
キリンによれば、過去20年、コンビニエンスストア業界は店舗数を3.4万店→5.5万店へと急成長する一方で、自販機業界の設置数は210万→220万台と横ばいが続き、1カ所あたりの売上は減少傾向にあると分析する。
コンビニ業界が急成長して自販機業界が伸び悩むなか、飲料メーカーにとっては、自由に自社製品をラインアップでき、戦略的に商品を展開できる自販機は、重要な販売拠点でもある。そこでキリンビバレッジが設立したのが、今回、LINEと協力する自販機専門のキリンビバレッジバリューベンダーだった。
キリンビバレッジバリューベンダー代表取締役社長の岩田実氏は会員ベースの巨大さ、専用アプリ不要で使えることが、LINEと組んだ大きなポイントだと説明する。
「Tappiness」を通じた利用ユーザー数の目標はないとのことだが、現在、自販機ユーザーの年齢は高いとのことで、幅広いユーザー層を抱えるLINEとのタッグによって、新たに若いユーザーにも自販機が利用されることを期待しており、新たなユーザー体験の創出によって、ユーザー層の掘り起こし、売上の拡大などを目指していく。