ニュース

全世界のアプリ市場規模、2020年に1890億ドル突破を見込む

App Annie調査レポート

 App Annie(アップアニー)は、全世界のアプリ市場における「マネタイズ調査レポート」を発表した。アプリ内広告やアプリストア収益の推移、利用しているモバイル端末の数などを予測した内容となっている。

 同社の予測では、世界でのアプリ内広告とアプリストア収益の合計額が大幅に伸び、2016年の約880億ドルから2020年までに2倍以上の約1890億ドルになる見込み。こうした成長の背景には、発展途上国におけるスマートフォンとアプリの普及、および先進国の消費支出にアプリが占める割合が増えることが起因しているとのこと。

 アプリ内広告とアプリストア収益の合計額を地域別に見ると、APAC(アジア太平洋地域)は2015年から2020年までの間に3倍以上増加するという。中国がリードする形で2016年には南北アメリカを抜き、収益トップの地域になる見込み。APACの新興市場ではクレジットカードの普及率が問題となっているが、キャリア決済やプリペイド決済が拡大しており、アプリ支出の増大を後押しするという。

 一方、南北アメリカとEMEA(欧州、中東、アフリカ)も2倍以上収益が増加するという。米国は、アプリ内広告を中心に今後も成長し、南北アメリカ全体の収益を押し上げると見られる。

 ゲームジャンルのアプリは、アプリ内広告とアプリストアの合計収益の半分以上を占める状況は2020年も変わらないものの、非ゲーム系アプリは成長率が高く、ゲームのシェアは66%から55%に減少すると予測している。広告支出の多くがソーシャルプラットフォームと動画プラットフォームに回るなどして、非ゲーム系アプリの合計収益は2020年までに3倍以上に増加すると予想されている。利用期間に応じて料金を払うサブスクリプションモデルも普及し、ストア収益の増加に貢献するという。

 また、スマートフォン・タブレットのインストールベース(利用されているモバイル端末)の数は、2015年の27億台から2020年は62億台へと増加すると予測。これは、新興市場におけるスマートフォンの普及が主な要因としている。同市場の比較的裕福でない消費者が急増するため、1端末あたりの平均収益は一時的に少し落ち込むことが予測されているが、市場の成熟によって持ち直すという。

 アプリの多様化により、消費者がアプリを利用する時間が延びていることも市場拡大の要因としている。同社の調べによると、世界のAndroid端末におけるアプリ利用時間は、2014年上半期から2016年上半期にかけて114%増加。WhatsApp MessengerやFacebookといった「コミュニケーション」アプリと「ソーシャルネットワーク」アプリのシェアが大きく、同期間で利用時間が「メディア&動画」は212%、「交通」は339%、「ショッピング」は359%増加している。