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ドコモショップで保険相談サービス「ドコモでほけん相談」

 NTTドコモは、ドコモショップで保険関連の相談を受ける新サービス「ドコモでほけん相談」を9月1日より提供する。まずは関東甲信越の11店舗でスタートし、順次拡大する。

 「ドコモでほけん相談」は、NTTドコモのドコモショップで、保険関連の相談ができるサービス。ドコモでは日本生命保険(ニッセイ)、東京海上日動あんしん生命保険など保険会社9社と代理店契約を締結し、生命保険募集人資格や損害保険募集人資格を持つスタッフを配置し、来店客からの相談を受けつつ、保険選びのアドバイスを行う。相談だけではなく、その場で保険を申し込むこともできる。

 取り扱われる保険は、生命保険8社、損害保険1社、あわせて9社の商品。各社の商品全てを紹介するのではなく、ユーザーの状況にあう商品のなかから、ドコモがチョイスした商品を紹介する。

保険の種類会社名
生命保険会社(8社)オリックス生命保険、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険、 東京海上日動あんしん生命保険、日本生命保険、ネオファースト生命保険、三井住友海上あいおい生命保険、三井生命保険、メディケア生命保険
損害保険(1社)東京海上日動火災保険

 「ドコモの保険」と銘打つ新サービスはないが、これまでドコモでは携帯電話から手続きできる自転車保険やスポーツ保険を自社ブランドで展開しており、ユーザーのニーズにあてはまる場合はそれらの既存サービスを紹介することもあるという。店内では今後、ライフステージの変遷にあわせて必要になる保険の種類などを紹介するセミナーを無料で実施する。セミナーを聴いた来店客が個別の相談をしたい場合に、「ドコモのほけん相談」を利用するという流れになる。

ヘルスケア領域と連携する新商品に意欲、ただしスマホ割引などはなし

 スマートフォンの端末価格の割引施策と「ドコモのほけん相談」を連携させるような取り組みは、保険業法で禁じられている特別利益供与にあたるとの見解で、各販売代理店にも行わないよう指導していく方針。

 競合他社ではKDDIがauブランドの保険サービスを展開し、契約者にau WALLETポイントを提供しているが、NTTドコモ金融ビジネス推進部保険ビジネス担当部長の寛司(ひろし)久人氏は「現時点で実施する予定はない。保険業法などの状況をよく見ていきながら検討していきたい」と述べるに留まった。

 一方で、本業である通信事業とのシナジーについて、寛司氏は具体的な内容は明らかにできないものの「乞うご期待」と示唆する。子会社を含めるドコモのビジネスのうち、IoT、ヘルスケア、料理といった分野と絡め、新たな保険商品の開発をニッセイに提案していくという。

今年度で40店舗目指す

 相談に応じるスタッフは、もともとドコモショップに勤務していた人で、3カ月強の研修を受けて試験をクリアした人物になる。研修ではニッセイから教材が提供された。保険相談用のカウンターは、新たに設置されるもので、携帯電話関連のカウンターが削減されることはない。

 ゆくゆくはドコモショップ全体で導入し、保険代理店として業界トップを目指したい……という長期的な目標を掲げる「ドコモのほけん相談」では、携帯電話関連の相談に訪れるユーザーとの接点を活かし、さらにその繋がりを強めていく狙い。ただ、性急には進めず、年度内に40店舗の展開ができれば、とする程度で、時間をかけて取り組む姿勢だ。

 当初、サービスが提供される11店舗では、ユーザーからのニーズなどをあわせて調査し、今後の展開に活用する。それらの店舗はドコモの直営ではなく、携帯電話販売代理店を展開する企業が運営するもの。それも1社だけではなく、複数の携帯販売代理店企業が参画する。なお「ドコモのほけん相談」の収益は保険販売の代理店として手数料を得る形となっている。