【OGC 2011】
Mobage、世界No.1プラットフォーム目指し海外展開を強化


DeNAの太田垣氏

 今年3月末に携帯SNS「モバゲータウン」のブランドを「Mobage」に改め、海外展開を打ち出したディー・エヌ・エー(DeNA)からは、ソーシャルメディア事業本部 ソーシャルゲーム統括部 スマートフォン企画グループのグループリーダー 太田垣慶氏が講演した。

 太田垣氏はまず、海外のトピックを紹介し、iOS向けのアプリが50万を超えたと話した。このうち37%は無料アプリとした。また、欧米のApp Storeではゲームカテゴリにおけるアプリのダウンロード率は88%で、アプリ内課金の売上げ比率は40%に上る。一方、Android向けのアプリ内課金の仕組みは、3月末に発表されたばかりだが、売上げ比率はすでに14%に達しており、こうしたデータを元に太田垣氏は「フリーミアムのモデルが拡大している」と話した。

 DeNAでは、2014年を区切りの年と捉えており、この年までに世界No.1のソーシャルプラットフォームを確立し、営業利益2000億円を目指している。当面はSNSが事業の柱であり、プラットフォーム事業をメインに、それを補完する形で内製のゲームコンテンツ事業を展開ていく方針。なお、2010年度は売上高が1000億円を突破している。2014年度には、売上高は5000億円規模にまで拡大し、国内と海外で半分ずつの収益を上げていく計画だ。

 こうした中で大きな成長が期待されるのが海外事業だ。DeNAでは、ngCoreと呼ばれるゲームエンジンを核に国内外でプラットフォームを共通化してコンテンツを展開していく。現在、iPhoneとAndroid端末のクロスプラットフォームに対応しており、太田垣氏はHTML5やWindows Phoneの対応も検討中とした。

 海外展開では、サムスン電子と提携し、海外のサムスン製Android端末へMobageのコンテンツの導線が用意される。国内では、トップキャリアのNTTドコモと提携してMobageへの送客を図るとともに、ドコモが提携する世界各国の事業者とのチャネルを使ってゲームコンテンツの開拓などにも手を伸ばしてく計画だ。

 太田垣氏は、スマートフォン向けビジネスのポイントを、「プラットフォームに留まってくれることが重要」と話す。プラットフォームがあればこそ、ユーザーの利用が落ち込んだゲームでイベントを実施して、ユーザーのリテンションを図ったり、既存ゲームから新ゲームへの導線を用意したりといったことが実現すると説明した。

 さらに、プラットフォームを補完する内製のゲームコンテンツについて太田垣氏は、「クオリティにとことんこだわりたい。フラッグシップタイトルを目指し続ける」と話した。Android向けのゲームタイトルとなる「忍者ロワイヤル」「アクアコレクション」「牧場ホッコリーナ」といったタイトルが紹介された。

 このほか、ngCoreについて太田垣氏は「まだまだ不十分」と話し、順次対応を拡充させていく方針を示した。ngCoreはソーシャルゲームのマスユーザーをターゲットにしたプラットフォームであるとし、クライアント寄りのゲーム開発を行っていたメーカーには、課金システムなどサーバーサイドの開発も支援するという。



 




(津田 啓夢)

2011/5/31 20:53