【Mobile World Congress 2014】

ファーウェイ、タブレットやスマートフォンの新機種を発表

 バルセロナで開催される世界最大のモバイル製品の展示会「Mobile World Congress 2014」の会期前日、ファーウェイはプレス向けに発表会を開催し、タブレットやスマートフォンなどの新製品を発表した。

ハイスペックな7インチタブレット「MediaPad X1」

プレゼンを担当したYu CEO

 「MediaPad X1」は今回発表された製品の中でももっともハイスペックなミニタブレット。7インチで1920×1200ドットのディスプレイを搭載しつつ、薄さは7.18mm、重さは239gとコンパクトにおさまっている。欧州での価格は399ユーロ(約5万6000円)。販売地域には日本も挙げられていて、2014年3月から順次発売される。

 背面はメインパーツがアルミニウム合金、上下のアンテナ部分のみプラスチックという、iPhone風のデザインを採用。ディスプレイは狭額縁となっていて、前面におけるディスプレイの占める面積割合が大きくなっている。

 ディスプレイは低温ポリシリコンを使った最新のIPS液晶を採用していて、色再現性やバッテリー効率に優れるとしている。タブレットとしてはカメラ性能が高いのも特徴で、リアカメラには13メガピクセルのソニー製裏面照射センサー、フロントカメラには5メガピクセルのセンサーを搭載している。

 コンパクトながら5000mAhのバッテリーを搭載していて、独自の省電力技術によりさらにバッテリー寿命を延ばしているという。

 チップセットにはファーウェイ子会社のHiSilicon製「Kirin910」を採用。1.6GHz/1.8GHzのクアッドコアで、カテゴリー4のLTEもサポートしている。通信方式としては、FDD-LTE、TD-LTE、WCDMA、TD-SCDMA、GSMの16個のバンドに対応する。OSにはAndroid 4.2を搭載。システムメモリは2GBでストレージは16GB。

 7インチタブレットながら、音声通話もサポートしているのも特徴。普通のスマートフォンのように本体だけで通話することができる。デュアルマイクによるノイズキャンセルなど、通話音声の補正機能も搭載している。

 MediaPad X1の製品プレゼンテーションを担当したファーウェイのConsumer Business Group CEOのRichard Yu氏は、スマートフォンが登場以来、大型化していった一方で、タブレットは小型化していったことを指摘。MediaPad X1の「X」には、タブレットと電話のクロスオーバーという意味が込められていると語った。

 またYu氏はプレゼンテーションの中で、たびたびiPad miniやNexus 7(第2世代)と比較しつつ、MediaPad X1の優位性をアピールした。とくにコンパクトさにおいては、「どのポケットにも入る」としてジャケットの内ポケットにMediaPad X1を入れて見せるとともに、舞台袖からiPad miniを受け取り、iPad miniは衣類のポケットに入れることができないことを示して見せた。

通話機能付きのアクティビティトラッカー「TalkBand」

TalkBand

 MediaPad X1とともに、ウェアラブルデバイス「TalkBand」も発表された。TalkBandはリストバンド型のウェアラブルデバイスで、バンド部から本体を取り出すと、Bluetoothヘッドセットとなり、音声通話に利用できる構造になっている。内蔵する加速度センサーにより、利用者の運動量を計測するアクティビティトラッカーとしての機能も持っている。欧州での価格は99ユーロ(約1万4000円)。販売地域としては日本も挙げられていて、2014年の第2四半期以降に順次発売される。

 本体部分には有機ELのディスプレイが内蔵されていて、そこに時刻や歩数などを表示できる。ただし有機ELのため、通常時はなにも表示されず、ボタンを押したときだけ画面が点灯する形式となっている。今回、発表会で展示されていたモデルは、加速度センサーなどに応じて自動点灯する機能は実装されていなかった。

 スマートフォンとはBluetooth 4.1で連携する。ファーウェイ製品に限らず、Android 2.3以上のスマートフォン/タブレット、iOS 5.0以上のスマートフォン/タブレットで利用できる。NFCによるペアリングにも対応。バンドの一端がUSB端子になっていて、別途ケーブルなどを用意しなくてもUSBポートから充電が行えるのも特徴。

 本体カラーとしては、ブラックやホワイトといった定番カラーだけでなく、イエローやブルー、レッドといったビビッドなカラーバリエーションも用意される。

デュアルスピーカー搭載の8インチタブレット「MediaPad M1」

MediaPad M1

 「MediaPad M1」は8インチ1280×800ドットのディスプレイを搭載したタブレット。欧州での価格は299ユーロ(約4万2000円)。販売地域としては日本も挙げられていて、2014年の第1四半期より世界各地で順次発売される。

 ディスプレイ解像度などのスペックは、MediaPad X1に比べると抑え気味となっている。薄さは7.9mmとコンパクトなボディを維持しているが、重さは329gとなっている。バッテリー容量は4800mAh。

 ディスプレイの上下にはスピーカーを搭載していて、横画面で利用するときに左右のスピーカーから音を楽しめるようになっている。

 チップセットにはHiSilicon製の「Kirin 910」を搭載。1.6GHzのクアッドコアプロセッサとなっている。OSにはAndroid 4.2を搭載。システムメモリは1GBでストレージは8GB。

スタンダードスマホ「Ascend G6」

Ascend G6 4G

 「Ascend G6」は4.5インチ960×540ドットのディスプレイを搭載したスマートフォン。3Gモデルと4G対応モデルの2種類があり、3GモデルのAscend G6が2014年の第1四半期、4G対応モデルのAscend G6 4Gが2014年4月より順次発売される予定。欧州での価格は249ユーロ(約3万5000円)。こちらのモデルは発売地域はアナウンスされていない。

 デザインはAscend P6をベースとしていて、iPhoneなどと同じように側面が垂直な構造となっている。厚みが3Gモデルで7.5mm、4G対応モデルで7.85mmとなっていて、重さはいずれも約115g。

 インカメラが強化されているのも特徴で、インカメラには5メガピクセルのセンサーを搭載し、美顔撮影機能などもある。リアカメラは8メガピクセルの裏面照射型センサー。

 チップセットにはクアルコムのMSM8926を採用。1.2GHzのクアッドコアプロセッサとなっている。OSはAndroid 4.3を搭載。システムメモリは1GBでストレージは8GBとなっている。4G対応モデルのみNFCに対応している。

11acやキャリアアグリゲーションに対応したモバイルルーター「E5786」

E5786

 「E5786」は最大下り300MbpsのLTEカテゴリー6などに対応した最新のモバイルルーター。2014年の5月より順次発売予定で、こちらは発売地域に日本は含まれていない。

 LTEは最大で下り300Mbpsのカテゴリー6に対応するほか、HSPA+やHSPA、EDGEなどにも対応。Wi-Fiは802.11a/b/g/n/acをサポートする。WebブラウザからSMSを送信したりできたり、よりグラフィカルなインターフェイスで各種操作や設定が行える。内蔵バッテリーは3000mAhでLTEモードで10時間動作する。

白根 雅彦