【IFA2014】

「GALAXY Note 4」「GALAXY Note Edge」の特徴とは

「SAMSUNG UNPACKED EPISODE2」レポート

 サムスンはドイツ・ベルリンで催されるIFA 2014に合わせ、9月3日に現地で「SAMSUNG UNPACKED EPISODE2」を開催し、GALAXY Noteの新モデル2機種、ウェアラブル端末2機種を発表した。

GALAXY Note 4
GALAXY Note Edge

 発表会イベントではキーボードプレーヤーがGALAXYを使いながら演奏する「Band of Wizdom」というバンドの生演奏から始まり、オーケストラとの協奏を経て、スタートした。最初に、Samsung Electronics Europe Marketing DirectorのRory O'Neil氏、Samsung Electronics HQのDavid Park氏、Media PersonalityのRachel Riley氏がステージの登場し、来場への謝辞が述べられると共に、北京とニューヨークの中継会場、オンライン中継を視聴するユーザーに対して、挨拶のメッセージが送られた。

Rory O'Neil氏
Rachel Riley氏
David Park氏
D J Lee氏

 続いて、Samsung Electronics IT&Mobile Communication DivisionのPresident Head of Sales&MarketingのD J Lee氏が登壇し、今回の発表の戦略が語られた。これまでのスマートフォンはアプリケーションプロセッサや高画素カメラなど、テクノロジーの革新に後押しされてきたことを挙げ、サムスンは2010年にハイスペックを追求した「GALAXY S」、2011年にはクリエイティビティを創造した新ジャンル端末「GALAXY Note」、2013年には新しいコンセプトのウェアラブル端末「GALAXY Gear」を発表してきたことを紹介した。

これまでの流れ

 こうしたラインアップの拡大やスマートフォンの普及が進む中、スマートフォンは人々の生活に溶け込むようになってきたが、サムスンとしては技術革新のスピードを決して緩めないことを約束すると、力強く語った。そして、スマートフォンの新製品として、「GALAXY Note4」「GALAXY Note Edge」が紹介された。エッジ部分に曲面ディスプレイを採用したGALAXY Note Edgeが紹介されたときは、会場内からも大きな歓声と拍手が巻き起こった。

「GALAXY Note4」「GALAXY Note Edge」が紹介された

 次に、ウェアラブル端末として、先日発表されたばかりの腕時計型端末「Gear S」、GALAXY Note4を装着して楽しめるヘッドマウントディスプレイ型のウェアラブル端末「Samsung Gear VR」が紹介された。こちらもSamsung Gear VRが紹介されると、大きな歓声が上がり、来場者の期待の大きさを感じさせた。

 続いて、ステージには再びRory O'Neil氏、David Park氏、Rachel Riley氏が登場し、各製品についてのプレゼンテーションが行なわれた。

Rory O'Neil氏、David Park氏、Rachel Riley氏によるプレゼン

GALAXY Note 4

 GALAXY Note4はこれまでのGALAXY Noteシリーズを継承する4代目モデルで、5.7インチのQuadHD(2560×1440ドット表示)対応の有機ELディスプレイを搭載し、Sペンによる手書き入力に注力されているのが特長だ。CPUは販売する国と地域によって、クアッドコア/2.7GHz、オクタコア/1.9GHzの2種類が用意される。メモリーはRAMが3GB、ROMが32GBで構成され、最大64GBに対応したmicroSDメモリーカードスロットを備える。

 ネットワークも国と地域によって、異なるモデルが提供されるが、基本仕様としては2GがGSM/GPRS/EDGE、3Gは最大42MbpsのHSPA+、LTEはCategory4による受信時最大150Mbpsに加え、Category6による受信時最大300Mbpsにも対応する。プラットフォームはAndroid 4.4を採用する。カメラは背面がSmart OISによる光学手ぶれ補正に対応した16メガピクセルAF、前面がF値1.9のレンズを採用した3.7メガピクセルカメラを搭載する。前面のカメラは世界的に流行する自撮り(Selfie)を考慮し、明るさは従来モデルよりも60%も明るくなったほか、カメラを左右にスライドさせることで、よりワイドに最大120度の画角で自撮りができる「WIDE Selfie」も搭載される。バッテリーは従来モデルよりもわずかに容量が大きい3220mAhと搭載する。ディスプレイがQuad HDになったことで、消費電力が気になるところだが、サムスンに寄れば、従来モデルに比べ、バッテリー駆動時間は約7.5%、伸びているそうだ。従来モデルよりも約半分の時間で充電が可能な急速充電にも対応する。ボディサイズは153.5×78.6×8.5mm、重量は176gで、従来モデルとほぼ同じサイズに仕上げられている。

Selfie(セルフィー)の使いやすさにも配慮

 機能面では「マルチウィンドウ」や「Sペン」が強化された。GALAXYシリーズでは従来から画面内を上下に区切り、複数のアプリを動作させるマルチウィンドウの機能を搭載していたが、今回はアプリのウィンドウ表示が可能になり、必要に応じて、アイコン表示に切り替えることも可能だ。Sペンは圧力レベルが従来モデルの1024段階から2048段階になり、画面上にSペンで書くときの角度や速度の検出も向上させたほか、Sペンをマウスのように使うマウスモードもサポートする。GALAXY Noteでおなじみのキャプチャ機能を活かし、情報のスクラップブックなどをより簡単に操作できるようになっている。Sペン対応アプリとして、従来モデルから「S Note」などのノートアプリが搭載されているが、黒板やホワイトボードを撮影して、文字を認識させる「Snap Note」などの新しい機能も搭載される。通話時のノイズキャンセルなどに利用するため、従来モデルでも2つ搭載されていたマイクが3つになり、ボイスレコーダー機能でも利用できるようになり、より明瞭に録音することが可能だ。

 アクセサリー類ではGALAXYシリーズでおなじみの「S View Cover」のほかに、「FLIP WALLET」「S VIEW WALLET」「LED COVER」が追加され、SWAROVSKI(スワロフスキー)とのコラボレーションカバーもラインアップされた。さらに、万年筆などの筆記具で知られるMONTBLANC(モンブラン)による「Pix」「e-StarWalker」という新しいペンも開発され、MONTBLANCブランドのデザインによるカバー2種類と共に販売される。

MONTBLANCとコラボして新たなペンを開発
MONTBLANCとのコラボによるカバー
SWAROVSKIとコラボ

GALAXY Note Edge

 もうひとつのGALAXY Note Edgeは、そのネーミングからもわかるように、これまでのGALAXY Noteシリーズの流れを継承しつつ、より先進的なものを求めるユーザーを狙ったモデルだ。GALAXY Note Edgeが特徴的なのは、ディスプレイ右側のエッジ部分がカットされたようにラウンドしており、その部分がメインディスプレイから独立したディスプレイとして利用できる。ちょうど折りたたみデザインの携帯電話のサブディスプレイのような役割を果たす。

 ディスプレイはメイン部分がGALAXY Note 4同様の2560×1440ドット、EDGE SCREENと呼ばれるエッジ部分のディスプレイが160×1440ドット表示が可能で、ディスプレイサイズは5.6インチになる。EDGE SCREENにはよく利用するアプリなどを登録しておくほか、SNSなどのメッセージ、株価など、さまざまな情報を表示することができる。SDKも提供されるため、今後、さまざまなコンテンツプロバイダが参入することが期待される。

 アプリケーションプロセッサはクアッドコア/2.7GHzのみで、メモリーはRAMが3GB、ROMが32GBと64GBのモデルがあり、最大64GBに対応したmicroSDメモリーカードスロットを備える。ネットワークの対応をはじめ、Androidプラットフォーム、カメラ、バッテリーなどの仕様は、基本的にGALAXY Note 4と共通で、Sペンなどの操作、アプリなども共通仕様となっている。

Gear S

 ウェアラブル端末のうち、「Gear S」については8月28日にすでに発表され、今回、改めて紹介された。これまでのGALAXY GearやGear 2などと違い、本体にSIMカードを装着することができ、2G/3G/Wi-Fi/Bluetoothで通信が可能なこともあり、従来のGear 2、GALAXY Gearなどに比べ、筐体が少し大きく、幅も広くなっている。ディスプレイは360×480ドット表示が可能な2.0インチの有機ELディスプレイで、プラットフォームはTizenベースのWearable Platformを採用する。IP67の防水防じん機能も備える。

Gear VR

 もうひとつのウェアラブル端末である「Gear VR」は、人間の頭に装着するタイプのヘッドマウントディスプレイ端末で、GALAXY Note 4をユーザーの目前に装着する形で利用する。実際に頭に装着すると、視界は96度まで拡がり、動きと表示のレイテンシ(遅延時間)は20ms以下となっている。タッチ&トライコーナーではデモを体験することができたが、眼前いっぱいに拡がるグラフィックは圧倒的な迫力を再現していた。

「Gear VR」

 今回発表されたいずれのモデルも国内向けの販売については、まったく触れられておらず、現時点ではどのモデルが投入され、どのように販売されるのかは明らかになっていない。ちなみに、昨年のIFA 2013で発表されたGALAXY Note3は、NTTドコモとauから発売されている。

法林岳之

1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows 8.1」「できるポケット docomo AQUOS PHONE ZETA SH-06E スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」「できるポケット+ GALAXY Note 3 SC-01F」「できるポケット docomo iPhone 5s/5c 基本&活用ワザ 完全ガイド」「できるポケット au iPhone 5s/5c 基本&活用ワザ 完全ガイド」「できるポケット+ G2 L-01F」(インプレスジャパン)など、著書も多数。ホームページはこちらImpress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。