【2013 INTERNATIONAL CES】

IGZOをアピール――シャープブース

 シャープは、大画面テレビの新ラインナップや8Kテレビとともに、省エネ性能などに優れる液晶技術「IGZO」の展示を行なっている。採用製品などを通じて、同社が初めて量産に成功したIGZOの優位性をアピールしていた。

 IGZO採用製品としては、日本国内で発売されているNTTドコモの「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」やauの「AQUOS PAD SHT21」、今春発売のソフトバンク「203SH」の3製品が展示されている。IGZOを採用するモバイル機器がほかに登場していないだけに、日本ローカルの製品ながら、来場者の興味をひいていた。

SH-02E
203SH
SHT21
IGZOを採用した液晶ディスプレイ

 モバイル製品以外では、IGZO液晶を採用する32インチの据え置き型ディスプレイ製品の展示も行なわれていた。これは4K解像度の高精細さを売りにした製品で、タッチパネルを搭載しないモデルは日本では2月に、タッチパネル搭載モデルは北米で第2四半期に発売される予定。タッチパネル搭載モデルは、スタイラスペンによる操作も可能になっている。

タッチパネル搭載モデルはマルチタッチ操作も可能
タッチ対応モデルの概要

 IGZO自体の特性を紹介する展示も行なわれていた。たとえばIGZOの消費電力の低さについては、一般的な液晶とIGZO液晶それぞれに電力計をつないで展示し、視覚的なアピールが行われていた。

通常のアモルファスシリコン型液晶の消費電力
IGZO液晶の消費電力
鉛筆をスタイラス代わりに使うデモ

 タッチパネルの感度の高さについては、本物の鉛筆で画面上に線を描けるデモが行なわれていた。通常の液晶のタッチパネルは電気的ノイズが多いため、指のような直径10mm程度の導電体にしか反応しないように調整されているが、ノイズが少ないIGZOでは、直径2mm程度の大きさにも反応でき、導電体である鉛筆の芯にも反応できるという。このほか研究中の技術展示としては、IGZO技術を使った高密度な有機ELディスプレイや折り曲げられる有機ELディスプレイなども展示されていた。

13.5インチながら4K解像度の高密度IGZO有機EL
折り曲げることが可能なフィルム型IGZO有機EL

白根 雅彦