【CEATEC JAPAN 2011】
NECはM2Mにもフォーカス、スマホ向け放射線測定用デバイスも
NECブース全景 |
マルチタッチ対応の8面ディスプレイを使った巨大なデジタルサイネージが目を引く
8面ディスプレイのデジタルサイネージが来場者の注目を集めていたNECブースでは、主にM2M分野におけるスマートフォン、タブレット端末の採用が目立った。3GやWi-Fiのネットワークが十分に普及した今、人間の手を介さずに自動で機器間通信を行うM2Mのソリューション開発に各社はしのぎを削っており、NECはそれに新しいモバイル機器を組み合わせる手法だ。
ステージでは住まいとクラウドサービスの連携を解説 |
M2Mに関連したソリューションの展示は4種。まず1つめの「テレマティクスソリューション」は、主にタクシー業者や運送業者などに向けたソリューションだ。この仕組みを取り入れた多数の車両の位置や状態をリアルタイムに把握することで、たとえば車両が事故を起こした際の周辺道路の渋滞を予測し、周囲の車両へ適切な迂回路を通知する、といった運行管理を、リアルタイムかつ自動的に行えるのがポイント。このソリューションで車載器として想定しているのがタブレット端末やスマートフォンだ。また、運転手が車載器の地図上でタッチすることで、その周辺地域に関わる情報をTwitterから収集し、道路状況を予測するのを手助けするという“マッシュアップ”機能を備えるのも特長となっている。
「テレマティクスソリューション」の機器類 | PCモニターに車両の運行状況を表示。デモの便宜上この画面から事故通知などを手動で再現できるようになっていた |
車載器となる端末の地図上でタッチすると、周辺地域に関係するキーワードをTwitterから収集 | 収集元のツイートを一覧することもできる |
健康管理を行う「ウェルネスサービス」も紹介されている。Bluetoothによる通信機能を備えた体重計や血圧計と、スマートフォンとを連携させることで、測定した体重・血圧データをスマートフォンに送信し、スマートフォンはその情報をサーバーに転送。サーバーに蓄積されたデータはスマートフォン上でグラフ化して見ることができる。デモ用として開発されたAndroidスマートフォンのアプリでは、食事することによる摂取カロリーと、運動することによる消費カロリーもそれぞれ記録していくことができ、それらの情報と体重・血圧のデータをまとめて管理・閲覧できるようになっていた。
「ウェルネスサービス」の機器類 | 体重計で体重を計ると、計測データがBluetoothでスマートフォンに送信される | アプリで体重、血圧、摂取・消費カロリーをそれぞれグラフ化 |
アプリのタイトル画面では、ユーザーの体重にあわせて動物が太ったりやせたりするという | 食事登録することで摂取カロリーが記録される | 摂取カロリーと歩数から推測した消費カロリーを日別に一覧 |
さらに、農場に設置したセンサーやカメラから得たデータを離れた場所にある端末で閲覧できる「農業ICTソリューション」では、農業従事者向けのAndroidスマートフォン用デモアプリを展示。日記のように使うことができる「営農記録」や、農作物栽培についてのQ&A機能などを備えており、かわいらしいグラフィックで楽しみながら使える内容となっている。
「農業ICTソリューション」の機器類 | 農場に設置するカメラやセンサーがキモとなる | 農業従事者向けアプリのメニュー画面 |
「営農記録」を頻繁につけた月は植物が大きく育つなど、グラフィカルに表現 | テキストだけでなく、画像や音声でも記録をつけられる | 質問に対しては、肥料メーカーの担当者らが回答するという |
その他、使用電力などをリアルタイムに計測し、家電などを自動または端末上で制御可能な「環境・エネルギーソリューション」も紹介しており、データ表示・制御用の端末としてPCもしくはスマートフォンやタブレットなどのデバイスを想定している。
「環境・エネルギーソリューション」の機器類 | センサーなどの機器類から取得した情報をPCやスマートフォンなどの端末で閲覧 | 端末上で機器類のスイッチや照明の操作も可能になっていた |
スマートフォン向けのアタッチメントとして使える「着せ替えセンサジャケット」も参考出展されていた。「災害対策ジャケット」として放射線センサーを備えたアタッチメントのほか、体脂肪計を備えた「健康管理ジャケット」、口臭・アルコール・UVチェッカーを備えた「女性向けジャケット」の3種類に加え、「超速充電バッテリー」も展示されている。ドコモブースでは手に取ることも可能だったが、NECブースではいずれもガラスケースに収められ、外観を見ることしかできない状態だった。
「着せ替えセンサジャケット」の概要 | 各種ジャケットはガラスケースに収められ、手に取ることはできなかった |
「超速充電バッテリ」の概要 | こちらもジャケットと同様にガラスケース内にある |
(日沼諭史)
2011/10/5 12:16