【CEATEC JAPAN 2010】
Bluetooth/Wi-Fi、TV端子通信、背面入力などKDDIの技術研究


Bluetooth/無線LAN変換ルータ

 KDDIブースでは、「Bluetooth/無線LAN変換ルータ」「電力線・同軸線を利用した『超高速』有線LANモデム」「背面入力インターフェース」といったユニークな展示を行っている。

Bluetooth/無線LAN変換ルータ

 「Bluetooth/無線LAN変換ルータ」は、Bluetooth対応携帯電話と組み合わせて利用することで、複数の無線LAN機器で通信できるモバイルWi-Fiルーターのように利用できるもの。携帯電話とBluetoothで接続し、インターネットの通信は携帯電話回線を使う。パソコンやゲーム機などとこの機器と無線LAN接続すれば、モバイルWi-Fiルーターのように利用できる。

 「Bluetooth/無線LAN変換ルータ」を利用することで、無線LAN機能のない従来モデルでも無線LANが利用できる。また、無線LANのIEEE 802.11b/gは2.4GHz帯を利用しており、同じ周波数帯を使うBluetooth機器とは同時に使うと干渉してしまう。「Bluetooth/無線LAN変換ルータ」では、ソフトウェア処理によってこの干渉を抑え、同時利用を実現しているという。



電力線・同軸線を利用した『超高速』有線LANモデム

 「電力線・同軸線を利用した『超高速』有線LANモデム」は、家庭内のコンセントやテレビアンテナと接続する同軸ケーブルなどを利用して、高速な有線LAN環境を構築しようというもの。

 屋外から引き込んできた光回線などを自宅のホームゲートウェイで受けて、有線LANモデムが壁面のコンセントやテレビ端子と接続されている。このコンセントやテレビ端子は、2階など離れたところのコンセントやテレビ端子と繋がっているため、2階に有線LANモデムを設置すれば、LANケーブルを這わすことなく通信ができる。

 特徴は高速通信が可能な点で、テレビ端子の同軸ケーブルにおける最大物理速度は800Mbps。実効速度で250Mbps程度となり、有線LAN接続のため安定な通信が可能となる。また、コンセントもテレビ端子もいずれも自宅に既設のものとなる。有線LANモデムを用意するだけで簡単に利用できるとしている。



背面入力インターフェース

 「背面入力インターフェース」は、モバイル機器の背面側を使ってさまざまな操作をしていこうという技術。モバイル機器の背面部は、カメラやバッテリーなどがあるものの、ユーザーが利用するスペースとしては空いている状態だ。また、正面にあるディスプレイを直接タッチする場合、タッチした部分は手や指でさえぎられてしまうことになる。

 「背面入力インターフェース」は空きスペースの有効活用や、タッチ操作時の難点を克服するために開発が進められている技術。今回展示された機器は、背面側もタッチパネルになっており、背面下部にはキーボードが用意されている。背面から端末をタッチすると、ディスプレイ上にはタッチした部分にカーソルが表示される。また背面のキーボードは、想像以上に違和感なく使える印象だ。もちろん違和感はあるのだが、慣れれば解決できそうに感じた。

 担当者によれば、モバイル機器を親指で操作するよりも、人差し指の方が自由に動かしやすいため、スムーズな印象を受けるのではないか話していた。なお、「背面入力インターフェース」は、KDDIの技術研究の中でも、より実現性の高い分野を担当するセクションが開発しているものという。

背面部

 



(津田 啓夢)

2010/10/6/ 15:04