本日の一品

消しゴムそのままのプルバック・レースカーをパリで買った

 今年の夏、パリに旅行に行った時に、おのぼりさんなら必ず行くであろう「ギャラリーラファイエット」というプランタン隣の大きなショッピングビルに行った。その上の方のフロアにあった文房具屋さんで見つけたのが「PULL BACK RACING ERASERS」だ。

見るからに消しゴムそのもの……本物をそのまま使う意欲が大事だ

 海外製の典型的な消しゴムを「プルバック・カー化」したようなお遊びアイテムだ。誰でも考えそうな合体商品なので日本でも既にあるだろうと思ってググってみたが、国内で販売されている製品はかなりリアルな自動車の形をした消しゴムが多かった。

 この商品のセンスの良さは、リアルなクルマの形にせず、ごく一般的な消しゴムの形状を採用していることだ。一部の国内のネットショップでは、輸入された同等商品を売っていたが、その値段を見て、あまりの高さに驚いた。

一目見ただけで、何ができるか分かる秀作パッケージだ
背板をドットラインに従って切り取るとフィニッシュゲートができあがる

 プラ梱包を開けると、2台の色違いの消しゴムレースカーが現れる。国産の消しゴムは豆腐のような真四角な格好が多いが、この2台の消しゴムレーサーは、海外製の消しゴムに多い、豆腐を斜めに押し潰したような側面の平行四辺形をしたツートンカラーだ。

 サイズ的には国産の平均的な消しゴムの2倍近い体積、重量があるようだ。キッチンスケールで実測してみたら、なんと一個81gもあった。けっこうハードな消しゴムの底面は綺麗に繰り抜かれて、プラスティック製のクルマのシャーシが合体されている。

プルバック・カーのシャーシが、標準的な消しゴムのボディを背負った感じだ

 シャーシの4輪もしくは駆動輪を路面に押し付けて後ろに引っ張る動作(プルバック)を行うことで、内部のゼンマイを自動的に巻く仕組みを内蔵している。消しゴム本体がそれなりの重量なので、初めはゼンマイのトルクを心配をしたが、実際にプルバックして手放すると、アッという間に加速して、かなりの高速走行が可能だった。

 パッケージの背面のボール紙を指示された点線に沿って、ハサミで綺麗に切り抜けば、レースのフィニッシュゲートを作ることが出来る。自作できるゲートや走行性能は申し分ないが、本来の、いやひょっとするとオマケの“消しゴム機能”は、はたしてどうだろうか? と少し気になった。

なかなかトルクがあって重量級(81g)のボディだがガンガンと走る

 実際にHクラスの少し硬い芯のシャープペンシルを使い、普通の筆圧で描いた複数の線を消してみたが、消去能力は標準的だった。一般的の消しゴムの要求性能は十分クリアしているだろう。この「プルバック・レーシング・イレーサーズ」は3歳~大人まで楽しめるステーショナリートイだ。この製品を日本で発売する時も、スタイルはこのノスタルジックでセンス良い消しゴムデザインのままで行くべきだろう。

 レディ・ステディ・ゴー!

消しゴムとしても侮れない性能だった
消しゴムとして何度か使うとレーシングカーのボディも薄汚れてくるが、これも勲章だ
製品名販売元購入価格
E-Racers Pullback Racing Erasers英NPW約1200円

ゼロ・ハリ