全方位対応の万能NAS「HDL2-A」


HDDを2台内蔵した家庭向けNAS「HDL2-A」

 以前当コーナーにて、外付けハードディスクをNASにするアダプター、pogoplugを紹介したが、接続していた2TBハードディスクの残容量が早くも心許なくなってきた。もう1台繋げばいいだけの話なのだが、せっかくなのでもっと多機能な機種を使ってみたいと思い、アイ・オー・データ機器の「HDL2-A 4.0」を購入した。

 「HDL2-A」シリーズは、家庭での運用を想定したNASで、2TB、4TB、6TBをラインナップしている。各ラインナップとも2台のハードディスクを内蔵しており、RAID0とRAID1での運用ができるので、ストレージとして容量をフルに使用することも、ミラーリングしてデータをより安全に保管することもできる。出荷時はRAID0に設定されており、ハードディスク2台分の容量をフルに使える。

 特徴は多機能さだ。基本であるネットワーク上でのファイル共有に加え、DLNA対応機器でのファイル再生、iTunesサーバー、TimeMachine対応、BitTorrent、USBメモリーからのファイルコピー、USBによるプリンターやスキャナーの共有等々、昨今のトレンドはおおむね対応している。加えて、AV機器との連携が強化されており、東芝レグザ、日立Woooシリーズ、スカパー!HDからの録画、また録画コンテンツの機器間ムーブにも対応している。あいにく対応するAV機器が手元にないため、多彩な連携機能は試せていない。自分の環境で使えない機能があるが、実売価格は3万円台に抑えられているのでその辺りは気にならなかった。

 運用面でも難しい点はなく、Webブラウザから設定画面にアクセスし、簡単な初期設定だけですぐに使えるようになる。ユーザーの手を煩わせないのが最近のNAS製品のトレンドとはいえ、拍子抜けするほどだ。外部からのリモートアクセスは、Webブラウザからアイ・オー・データのサーバー経由でアクセスする。iOS/Androidのアプリは用意されていないので、携帯機器からもWebブラウザでアクセスする必要がある。

 上蓋が工具なしで簡単に外れるようになっており、いざというときのハードディスク交換は容易にできるようになっている。ただ、ハードディスクへのファームウェア書き込みには対応していないようで、バルクのハードディスクを買ってきて手軽に容量アップとはいかないようだ。もっとも、USBポートに外付けHDDを接続することで容量を増やすことができるので、容量については心配いらないだろう。

 想定外だったのは、常に回転している冷却ファンだ。音はかなり小さく、普段はほとんど聞こえないのだが、夜中などテレビを消して静かな状態になるとファンの音が聞こえてくるのだ。ワンルームで生活していると、どうしても設置場所とベッドの位置は近くなってしまう。かなり低い音で筆者はまるで気にならないが、静寂な環境を求める人は注意が必要だろう。


iPhone5とサイズ比較。HDD2台ぶんの大きさから一回り大きい程度に収まっていて、非常にコンパクト背面にUSBポート×2とLANポートがある
工具なしでふたが開き、簡単にハードディスクが交換できる

 

製品名製造元購入価格
HDL2-A 4.0アイ・オー・データ機器3万3600円

 

 

(ナカムラ)

2012/10/18 06:00