カーボン&チタニウム採用で、オンビジネスでもバリバリのSKAGEN腕時計
バブル経済の崩壊以降、きわめて高価な腕時計や突き抜けた突飛なデザインの腕時計は、国内市場では背伸びをしてまで買う風潮は激減している。現在、日本で消費者からそれなりの評価を受ける腕時計は、まずデザインが合理的で真面目であることと、納得できる価格がポイントになる。
SKAGEN社は、1989年にインダストリアル・デザイナーであるヘンリックとシャーロット夫妻によって設立された。そして今から7年前の2004年、スイスのバーゼルで開催された世界最大の時計博覧会に彗星のごとく登場し、競合企業の多い腕時計業界でも、世界で注目される企業となった。
デンマークに本拠を置くSKAGEN社の腕時計は、同じシンプルデザインでも、独ブラウン社や同じデンマークのBang & Olfsen社ほどの個性や強いブランドの押し出しを感じないスタティックなインダストリアル・デザイン製品だ。
強烈な押し出しを感じないSKAGEN社の腕時計ではあるが、セイコーやシチズンなど国産の伝統的な腕時計とは明らかに異なる。外観を見ただけで、その腕時計がSKAGENであることが理解できる、コアデザインがブレずに統一された商品が多い。
チタニウム カーボンダイアル 805XLTBBは少し大きめのスカーゲンらしい腕時計だ | ブランド腕時計に必要な、個性と品質、一目でSKAGENとわかるデザイン特性を持っている | カーボンのダイヤルをより引き立てるチタニウムのブラックIPコーティングケース |
今回ご紹介する「SKAGEN チタニウム カーボンダイアル 805XLTBB」腕時計も典型的なSKAGENデザインだ。チタニウムを採用した軽量なケースと、文字盤にはカーボン柄をこれ見よがしに露出しているが、ブラックIPコーティングしたダイヤルまわりやケース、ステンレスベルトとのマッチングがきわめて自然だ。
唯一アクティブなイメージのカーボンダイアルだが、6時位置に配置されたスモールセコンドとの組み合わせにより、嫌みを感じさせない真面目なデザインに仕上がっている。ケースサイズは幅41mm、厚さ8mm、重量60gと、SKAGENではラージサイズ腕時計の部類に入るだろう。
腕時計本体サイズとのバランス上、ステンレス・ブラックIPコーティングのベルト幅は、端から端まで、均等に実測22mmある。少し残念なのは、見た目はきわめてバランスが良いが、実際に腕に装着した時、SKAGEN社の腕時計が持っている自然な装着感が感じられなかった。長く付き合う中で徐々にエイジングが効いて腕に馴染んでくるだろう。
品の良いスモールセコンド。白と黒という典型的な組み合わせだが、赤を嫌みでない様に上手く取り入れている | 繊維の編み目も綺麗に見えるカーボンダイヤルの採用が一番の特徴だ | ステンレスIPコーティングの22mm幅ベルト、もう少し当たりを柔らかくする処理が欲しい |
2011/3/15 06:00