本日の一品

電動工具のバッテリーをUSB電源にするアダプター

 日曜大工などDIYを得意とする人であれば、持っている人も多い電動工具。充電式のドリルドライバーやインパクトドライバーのバッテリーは、各メーカーともに他の機器にも使い回しができるシステムとなっており、他の電動工具はもちろん、LEDライトや現場で重宝するラジオ、そして最近流行の掃除機まで、バッテリーを中心としたラインナップができていることが普通だ。

バッテリーを装着した状態のアダプター。クリップはベルトにはめるためのもの
かなりずんぐりとした形状。太さも5cmほどとけっこうある

 と、そこに最近、バッテリーからUSB電源を取り出すというアダプターが現れた。電池の端子を保護し、持ち運びしやすくするホルダーの付加機能としているメーカーもあるが、今回紹介するボッシュの10.8V用のアダプター(GAA10.8V-LI)は、バッテリーで温めるヒートジャケット用の電源取り出しアダプターが主な用途で、ついでにUSB端子も付いているというものだ。

 使い方は簡単で、電動工具を使うときと同様にバッテリーを充電器で充電し、アダプターに装着、赤い押しボタンスイッチを押すだけ。アダプターの定格出力は5V1Aとなっており、電動工具の力強さからするとタブレットも充電できるかどうか微妙な出力。iPhone 6を含めて何台か試したところ、多めの電流を吸い取るような機器では、電源の供給を止めてしまうようだ傾向が感じられた。

アダプターは左側のみ。バッテリーは右側の別売りの電動工具用

 機能としてはそれくらいで、USBバッテリーとしては特に変わったところはない。写真で見るとわかりづらいが、電動工具用のバッテリーは思ったよりも大きく、アダプターバッテリーを組み合わせた状態でも直径約5cmとかなり太い。写真は1.2Ahのバッテリーで10.8V仕様。通常のUSBバッテリーの容量にどう換算すべきなのか不明だが、iPhone 6をなんとか2回充電できたので4000mAh相当はあるのだろう。

 充電をするときには、電動工具用の充電器を用意する必要となるが、完全にカラの状態から約15分で70%、30分でフル充電が可能と充電速度が早いことも特徴。電動工具を使った現場でUSBから充電したかったり、予備電池をたくさん持っていてUSBバッテリーとしても使いたい場合に便利だ。

充電器も工事の現場で使うためのものなので大きくて丈夫

 このタイプのアダプターは他のメーカーからも出ており、バッテリーの種類や電圧にもよるが、マキタや日立工機でも同様のものがある。しかし、電動工具のバッテリーを活用するためとはいえ、このボッシュのアダプターだけの価格は実売で3000円を超えることと、現在、3000円も出せば大容量のUSBバッテリーを買えてしまうため、一般の人にはすすめられない。

 それでも、電動工具のバッテリーが余っている人、他人とは違ったUSBバッテリーが欲しいといった人や、電動工具を愛してやまない人にはぜひ、使ってもらいたいアイテムだ。

iPhone 6は問題なく充電できた
製品名販売元購入価格
GAA10.8V-LIボッシュ3110円

江須田