本日の一品

電源不要でHDMI切替、低価格と三拍子そろったHDMIセレクター

4入力3出力のHDMIセレクター「DN-10721」

 コンポジットやS端子、コンポーネントにD端子とさまざまな映像・音声出力規格が混在していたのも今は昔の話、最近ではテレビ周りの規格はほぼHDMIに統一された感がある。ケーブルについて余計なことを考えることなくHDMIだけあればいい、というのは気軽で便利になった反面、すべての製品がHDMIに集中してしまうためにテレビのHDMI端子は今や激戦区だ。

 筆者の場合、これまでゲーム機はHDMI非対応のWii、初代モデルのためHDMIに対応していないXbox 360、そしてHDMI対応のPS3だったため、WiiとXbox 360はD端子、PS3はHDMIと棲み分けができていた。しかし後継機であるWii UがHDMIに対応し、先日購入したばかりのXbox OneもHDMIが標準となったため、ゲーム機だけで3つものHDMIを占有する状態に。

 さらに我が家にはゲーム機だけでなく、Apple TVやChromecast、dstickといったSTB、スカパー!のチューナーなどHDMIの機器が山ほど存在する。4つしかない我が家のHDMI入力に対して接続したい機器が倍以上もあり、いよいよHDMIセレクタの導入を考えるしかない状況に陥った。

 しかしHDMIと同等以上に激戦区なのがテレビ周りのコンセントだ。当然のことながらHDMIだろうがD端子だろうがコンセントを使うという点では同じこと。ChromecastのようにUSBバスパワーで動作する機器もあるとはいえ、テレビそのものやNASなどが集まる筆者のリビングではコンセントの使用数もできるだけ減らしたいのが実情だ。

 何か良い解決策はないかと探していた時に見つけたのが、上海問屋のHDMIセレクター「DN-10721」。3入力1出力型のセレクターなため、1つのHDMIを3つの機器で共有できる。さらに魅力的だったのが電源不要という仕様で、HDMI経由で電源を供給するために別途コンセントを用意する必要はなく、入力用と出力用のHDMIを接続するだけで済む。しかも価格は税込みで699円と非常に安価なのも嬉しい。

指でつまめる程度の本体サイズ

 使い方はそれぞれの端子にHDMIケーブルを装着するだけ。セレクターの電源はHDMIケーブルを接続すると自動で投入され、ケーブルの切り替えは本体上部のSELECTボタンを押すと順番に切り替わる。切り替えのためにテレビ付近まで行く必要はあるが、わざわざケーブルを付け替える手間を考えると遙かに便利だ。

HDMIケーブルを接続するだけで電源は不要

 接続した機器の電源を投入すると自動でHDMIが切り替わる機能も搭載。ただし、他の機器がすでにHDMI出力を行っている場合は自動で切り替わりはしない。例えばChromecastのように常に映像を出力している機器を接続していれば、他の機器の電源を投入しても切り替わることはないということだ。とはいえ、該当する機器のHDMIに切り替わっていれば、機器の電源を入れるとテレビの電源も入るといったHDMI CEC機能を利用することは可能だ。

 電源不要という点では非常に気に入っているが、難点を上げるならそのデザイン。正方形の本体に4方向からケーブルを装着しなければいけないため、ケーブルが邪魔をして設面積が大きくなりがちだ。また、選択したポートを示す青いLEDの光が非常に強く、就寝時には部屋の中で青い光がひときわ目立って輝いてしまう。かといってLEDを隠してしまうと今度は使い勝手が悪くなるため悩ましい。

就寝時に電気を消すとHDMIセレクターの青い光が煌々と……

 こうした課題はあるものの、700円程度の低価格でコンセントも使わずHDMI端子を手軽に増やせるという製品自体はとても魅力的。HDMI機器が多すぎて困っている人は試してみて欲しい。

製品名販売元購入場所購入価格
HDMIセレクター「DN-10721」ドスパラ上海問屋699円

甲斐祐樹