本日の一品

昭和のデパートの屋上風、手のひらサイズのレトロなドライブゲームを買った!

 デパートの屋上などで見られた、昭和生まれでもきっと知らない人も多いドライブゲームを、手のひらサイズで再現したようなおもちゃをECサイトの「temu」で見つけて脊髄反射的に速攻で買ってしまった。

 オリジナルの昭和モデルは、大きな箱型の本体の手前に本物サイズに近い自動車のハンドルが取り付けられたものだった。temuでは今回ご紹介する商品に名称の記載が特になかったので、ここでは“ミニドライブゲーム”と呼ぶことにした。

 筆者の記憶の隅にある昭和のドライブゲームのイメージは、手前にハンドルの付いた背の低いピンボールマシンのような外観だった。表面はガラス板で覆われていて、ピンボールのかわりに道路がベルトコンベア式にスクロールする仕組みで、事故を起こしてゲームオーバーになるまで遊べた。

 そしてハンドルの先にはミニカー本体がダイレクトに取り付けられており、ハンドルを左右に切ることでミニカーもリアルタイムで左右に動く。ベルトコンベア式に前方から繰り出して来る道路は左右にグネグネと曲がっており、ハンドルを左右にタイミングよく動かして脱輪することなく、安全運転でどこまで走り続けることができるかを競う一人用のゲームだった。

 今回ご紹介するのはそんな昔懐かしいデパートの屋上のあのドライブゲームを約16×8×5cmにコンパクトサイズにした、両手で持って遊ぶハンディサイズの超アナログゲーム機だ。かつてのレガシーな箱タイプではなく、その外観はスマートなスポーツカーを模した現代の子供達が喜びそうなデザインだ。いや、大人も喜ぶに違いない。

 プラスチック製の本体ボディのカラーは赤と黒が用意されている。筆者は赤のモデルを購入した。昭和レトロなドライブゲーム機の上面がフラットなガラス板だったのに対して、今回購入した令和版のミニドライブゲームは前後側面の窓と屋根部分が全て、アクリル製の透明な素材でできている。

 乾電池駆動のモーターのパワーでスクロールするベルトコンベア型の道路が、その中で繰り返し表示される仕組みだ。令和の現在なら液晶画面に映像を表示して上から下にスクロールするのが一般的だが、オリジナルの昭和版のメカニカルなコアテクノロジーをそのまま継承されているのが懐かしくて嬉しい。

 ハンドル操作で左右に動くクルマは、筆者のモデルではブラックカラーで天井前面に雷アイコンが記されている。昭和のドライブゲームは10円硬貨を入れることで遊べたが、こちらは付属の単4乾電池3本で駆動する。試供品なのでバッテリー寿命には期待してはいけない。

 遊び方は極めて簡単でクールだ。ハンドル右横にあるボタンを押せばスタートのカウントダウン音が3回鳴り、GO! の掛け声で道路がどんどんこちらに迫って来る。ひとりでのんびりと安全運転でドライブを楽しむイメージではない。

 迫りくる2車線一方通行の蛇行する道路のあちこちに、先行するクルマが適当な間隔で配置されている。意味はなさそうだがパトカーも走っている。それらの先行するクルマが道路と同じスピードで手前に押し寄せてくるので、ハンドルを左右に切ってかわし、追い越すことがミッションだ。

 初めてミニドライブゲームにさわった家族に運転してもらった動画では、スタートスイッチを押してアッと言う間に道路上の前を走る黄色い車の左後部を擦ってしまいゲーム終了となった。運転の難易度は高く、昭和レトロな思い出のゲーム版より遥かに早い判断力と指先の俊敏性が求められる。

 筆者がしばらく遊んだ感覚では、ハンドルを切るのは常にできる限り速く、そしてこれは筆者の個体だけのことかもしれないが、2台いるパトカーを追い抜く時はできる限りパトカーと側面距離をとり、道路からはみ出すくらいの感覚で抜き去る方がセーフだったことが多かった。

 熱中して意地になって走り回っていると、乾電池の消耗がかなり激しい。BGM音は聴こえてもベルトコンベアのように動く道路が迫る速度が遅くなり、LEDライトの点灯も弱くなってくるのですぐに分かるだろう。

 乾電池を交換した直後は心持ち、道路が迫りくるスピードもアップするのでドライブはより緊張感をもって楽しめる。スマホなどのデジタル系デバイスに慣れ親しんだ現代の子供達にも、令和のドライブゲームはかえって新鮮でクールな単機能ゲームなのかもしれない。

製品名発売元購入価格
ミニドライブゲーム(赤いレーシングカー)-1134円