本日の一品

キャッシュレス時代の小さな財布用の薄い遺失物トラッカーを見つけたが……

 キャッシュレスワールドの始まりをいつからかという話題は友人同士が集まった時の話題でもその始まりは個人の認識でかなり違う。中にはクレジットカードが登場した1960年ごろだと言う人も居ればFeliCaの登場した1996年という意見もある。

 常にミーハーでクレジットカードもFeliCaもほぼ使えるようになった時から所有していた筆者は、どちらかと言えばQRコード決済のPayPayが登場した2019年秋がキャッシュレスワールドの始まりと言うイメージが感覚的に強い。

 昨今、大口決済はクレジットカード、小口決済はPayPayやSuicaなどになってくると、自然と財布は従来の紙幣サイズの大型のモノからクレジットカードサイズ以下のよりコンパクトなモノに向かって変化している。

 米国人は、日本人よりモノを置き忘れる人が圧倒的に多いのか、Bluetoothの普及するずっと前から“ロスト&ファウンド”系の遺失物発見ガジェットが多く売られていた。

 ネットやSNSの普及で昨今はこの手のガジェットも世界同時進行しているイメージだ。

 今回、ご紹介するのは初期の分厚く丸く大きな形状の遺失物トラッカー(以降トラッカー)が正常進化したスリムでライトなクレジットカード型のモデルだ。

 既に数社以上から似た製品が販売されているが今回はMicFlipのCard Finderをご紹介したい。

 パッケージを開けるとクレカサイズのCard Finder本体とAfter-sales Guide Cardという紙と多国語の取説が収納されている。Card Finderそのものは厚さ1.9㎜ほど。他社から同様のカードタイプが発売されているが、それと比べ、Card Finderは少し薄く、本物のクレジットカードよりは2倍ほど分厚い。

 この手のトラッカーは、基本的にバッテリー交換は不可能な製品が多い。Card Finderもバッテリー寿命が約2年の使い切りタイプだ。

 さて、Card Finderも一般的なトラッカーと同様、スマホとBluetoothで連携すれば、Card Finderを収納した財布などのありかをユーザーに教えてくれる。

 iPhoneではアップル(Apple)の「探す(Find My)」アプリを使用し、Androidスマホでは「Findthing-Smart Finderアプ」リを使用する。

 Androidユーザーの筆者は後者のアプリをサブスマホの「moto razr 40」に導入しアプリの指示通りの操作を行いCard Finderとの接続を確認し設定を完了した。

 ひとまず設定が終わってアプリを起動するとCard Finderを入れた筆者のミニ財布がオンラインで近く(3m~10m)範囲にあることが確認できた。先ずは“デバイスを呼び出す”をタップすると遠くでCard Finderのかすかな音が聞こえる。室内で財布などが行方不明になった時などは便利だ。

 Card Finderとアプリを導入したスマホとの距離イメージは、近く(3m以内)、近く(3m~10m)、遠く(20m以上)の3段階があるようだ。

 また、デバイス情報はCard Finderが受け持つ持ち物の名称やその写真からMacアドレス、ハードウェアやソフトウェアのバージョンなどが一覧できる。

 一般的なトラッカーの標準機能のひとつとして、持ち主がトラッカーを取り付けた所有物から一定距離離れた場合にお知らせしてくれる“置き忘れ防止アラート”はAndroidではまだ現バージョンで未実装のようだった。今後に期待したい。

 今回は、意図的にCard Finderを入れた筆者のミニ財布を別のオフィスに置き忘れた想定にしてオフィスを出て、数百m歩いたところでスマホアプリで画面を見たところ、当然、Bluetoothは届かないので“オフライン”になっており、“物探しモード”の選択画面が表示されていた。

 ひとまず“物探しモード”をタップしてみた。物探しモードは他社のトラッカーでも良く似た機能のある、いわゆる“クラウドサーチモード”に近いものだろう。

 簡単に言うなら、同じトラッカーを利用するスマホをあてにして、運よくそのユーザーが置き忘れた筆者のミニ財布のごく近くを通りかかったら、そのユーザーのスマホを経由して、筆者のミニ財布(にあるCard Finder)の位置情報がわかるというものだ。

 2時間ほど放置していたが、物探しは終了しなかったので物探しモードはキャンセルした。その後、意図的に忘れたオフィスの部屋まで戻ったところ、オフライン状態のままだったので、トラッカー一覧が表示される最初の画面に戻してアプリをリロードすると、筆者のミニ財布内のCard FinderとBluetooth接続できたらしくオンライン状態になった。Androidスマホでいろいろテストしてみたが、Card Finderは接続が不安定だ。

 ちなみに、発表時点では、「Card Finderは、現在ある場所を地図で表示してくれる」と案内されていた。これは、先述したいわゆるクラウドサーチではなく、それ以外の新しい画期的なテクノロジーなら極めて興味がある。

 また、クラウドサーチのことを指しているのなら、ユーザー数がどのくらいいるかが鍵だ。たとえば東京都内なら、人口1400万人の中の何万人がクラウドサーチの対象かは大きな要素になりそうだ。

商品価格
MicFlip Card Finder4400円