本日の一品

ホームノマドやフリーアドレス制オフィスに便利な「クリップボードフォルダ」

四半世紀前から存在するクリップボードフォルダを久しぶりに買って使ってみた

 今から四半世紀前に、一部の外資系企業ではオフィスの自席が決まっていない“フリーアドレス制”がすでに採用され始めていた。朝、会社に行くと好きな席に着席してそこにある内線電話で自席の宣言コードを送ることで今日1日はそこを自席として使えるようになる。残念ながらある理由で定着はしなかったが、その訳はまた別の機会にしたい。

 インテリジェントな内線電話と、各席までしかれた有線ネットワーク、1人1台のモバイルパソコンがフリーアドレス制を技術的に可能にしていた。現代はスマートフォンの普及やWi-Fiの拡張、モバイルアプリの進化、そして従業員の気持ちの変化でフリーアドレス制を含むモバイルワークそのものが大きく変化してきている。

 しかし、そんな25年以上も昔から現代まで周囲の環境変化とは関係なく売れ続けているものがある。本日ご紹介する「クリップボードフォルダ」がそのアイテムだ。“クリップボード”は、この35年ほどでパソコンやスマホ用語にまで昇格、定着した言葉なのでご存じの方も多いだろう。

 メモやドキュメントなど、すぐに使いそうなモノを一時的にクリップしておくステーショナリーの一種だ。昔から日本国内より海外、特に米国ではよく見かける文具の代表選手だ。昨今はネット通販の普及で、文具マニアでなくても国内でも入手は簡単だ。

クリップボード好きな筆者は知人のデザイナーさんに作って頂いて使用している

 クリップボードは、筆者が日常愛用しているこだわりの無垢な板に金属クリップを取り付けたシンプルなモノから、ブック状に閉じられるモノ、ジッパー付きのモノ、内部に名刺やペンなどの小物が多少収納できるモノなど、長い期間に多種多様なモノが生まれてきた。後者は一般的にはオーガナイザーと呼ばれるのが普通だ。

 今回購入したクリップボードフォルダは、その名前の通りフォルダの付いたクリップボードだ。筆者の記憶に間違いがなければ、この手のフォルダはもう何十年も昔から存在する。持ち手の付いた少し大振りなモノからよりコンパクトなモノまでさまざまだ。

クリップボードフォルダは携帯移動時に内部に収納したメモ用紙を表面にクリップして臨戦態勢入り

 ご紹介するモデルは、A4書類が縦に楽に入る36.5×25×3cmの大きさの商品だ。重量はスペック表では433gあるのでそこそこ重い。表面上部には、お約束の金属クリップが配置され普通のリーガルパッドサイズのメモを確実にクリップして活用できる。

 左ヒンジで反対(右)側のロックを外すことで、本体をハードカバーの大きな書籍を開くように左開きできる。内部にはかなり広い空間が用意されている。単に持ち歩いている移動時には使わないリーガルパッドなどのメモ帳や書類、雑誌、電卓などを収納するのが一般的だ。

左ヒンジで右側にクリップボードフォルダを開くロックが付いている

 クリップボードフォルダにとって必須アイテムはメモ用紙。そしてもう一方のステーショナリーは筆記具だ。そのため、クリップボードフォルダの本体表面の下側には筆記具専用のコンパートメントがある。

 蓋をめくりあげる格好で開けると内部には15cm定規や、スティック型消しゴム、ボールペン、鉛筆やマーカーなど数本は収納できる。出し入れが容易なので会議が終わってから退散するまでのスピードも早い。

筆記具は下部の専用コンパートメントに数本は収納可能だ

 ミーティングで席から溢れるなど、着席できない環境で立ったままでも筆記時に最高の効果を発揮するのがクリップボードフォルダだ。なので現場仕事や立ち位置での仕事の多い多いビジネスマンなら常時、クリップボードにメモを固定していても悪くはない。もちろん相棒の筆記具の待避場所は胸のポケットだ。筆記具収納コンパートメントから取り出すより、一般的には安全だ。

 そういう移動や立ち位置使用環境を想定して、クリップボードフォルダの背面は指の第1関節までが上手く引っかかる仕様になっている。そしてオフィスやグループでこのクリップボードフォルダを共有使用するような環境なら、目的別にカラーケース(黒・青・青緑)を使い分けて背面の壁面引っ掛け穴を活用してオフィスの壁面に吊して置くのも便利かもしれない。

クリップボードフォルダは厚さ30mmなので普通に手持ちができる。滑らないように背面各所に指先の引っかかる凹面部分が多数用意されている。ハンギングのために丸穴もある。

 クリップボードフォルダは、あくまでアナログのメモの活躍範囲を拡張するステーショナリーだが内部の収納能力を考えれば、昨今なら内部にデジタルツールを収納することも十分可能だ。

 今回は筆者宅にあった、Kindle Scribeやポメラ、ThinkPad X1 nanoなどを入れてみたが無理なく収納できた。パソコンなら13.3インチ以下クラスの画面の縦横比が4:3、16:10、厚さ20mm以下なら収納できそうだ。

アナログメモだけじゃなくデジタルガジェットの内部収納も可能だ。筆者はKindle ScribeやPOMERA、ThinkPad X1 nanoなどを収納して持ち歩いてみたが大丈夫。180度開くので便利だ。リーガルパッドと同時収納も可能だった。

 昨今、オフィス内の移動やリモートワークの増えた宅内モバイル環境での快適な移動を支援するツールはいろいろ登場してきている。四半世紀前から存在する、クリップボードフォルダもほぼ同様の目的に使えるだろう。昨今流行のバケツ型の近距離移動用の鞄やツールも、そのルーツは四半世紀以上昔だ。

クリップボードフォルダは宅内外のモバイルワークからフリーアドレスオフィスまで身の回りのモノを持って移動するビジネススタイルに向いたスリムなストレージガジェットだ

 いつの時代も新しい商品を開発企画しようと考えたら、まずは過去を振り返ってみるのが最高・最強の戦術だ。「たいていのモノは昔からある」これさえ覚えておけば新商品の開発は半分終わったも同様だ。クリップボードフォルダを眺めているときっとさまざまなアイデアが浮かんでくるだろう。

製品名発売元実売価格
クリップボードフォルダ(黒)homdolaser1560円