本日の一品

これが最強かっ!? 使い勝手と解像度がアップしたUNIQ プロメテウスモニター4K

 スマートフォンが登場したとき、「お、これで重たいパソコンを持ち歩かずに済むぞ!」と思ったけど、そんなわけにはいかなかった。もちろん、iPhoneやスマホだけで仕事をこなしている人がいるのも知っているが、筆者は広々としたところで作業するのが好きなので、ちょっとあの作業領域だけでマルチタスキングするのは辛い。

 そんなわけで、どこへ行くにもノートパソコンを持ち歩いているわけだが、もしかしたらデスクトップモードを搭載しているスマホとモバイルディスプレイが助けてくれるかもしれない。そんな淡い期待を抱きながら、UNIQ「PROMETHEUS MONITOR 4K タッチモデル(UQ-PM154K)」(以下、プロメテウス 4K)を借りる機会を得た。

UNIQ PROMETHEUS MONITOR 15.6 4K。スタンドにもなるカバーが標準装備されており、わざわざカバーやケースを買う必要がないのがありがたい

ポートが増えてるっ!

 USB OTG機能があり、なおかつ映像信号の出力ができれば、スマホで表示しているものを外部ディスプレイにミラーリング表示できる。Galaxy SシリーズやNoteシリーズ、ファーウェイの上位機種なら、Dexやデスクトップモードによりパソコンのような操作も可能になる。

 とはいえ、スマホのポートは1つしかない。ハブが手元になければ、有線タイプのキーボードは使えない。

 実は、2019年にUNIQ「PROMETHEUS MONITOR 15.6 FHD(UQ-PM15FHD)」(以下、プロメテウス FHD)をクラウドファンディングサイトで手に入れていたのだが、同機種にはHDMIポートのほか、映像信号入力用と電力供給用のUSB Type-Cポートしかなく、キーボードやマウスなどをつなげられるUSBポートが搭載されていなかった。

 しかし、今回借りることのできたプロメテウス 4KにはキーボードやマウスをつなげるためのUSB Type-Cポートが搭載されているじゃあないかっ! これなら、スマホ→プロメテウス 4K→外付けキーボードという最小構成でテキスト入力レベルの作業が行える。Galaxyもファーウェイ端末も、デスクトップモードを起動すると、本体をタッチパッドとして使えるようになるのでマウスは不要なのだ。もっとも、プロメテウス 4Kはタッチ操作対応なので、ディスプレイに手を伸ばせば良いだけなのだが。

プロメテウスの左側面。上が4K、下がFHDモデル。FHDモデルでは左側に電源/戻るボタンやダイヤルホイールが配置されているが、4Kモデルではパソコンなどとの接続ポートが配置されている
こちらは右側面。4Kモデルにはダイヤルホイールの代わりにUSB接続できるUSB Type-Cポートが配された。サブモニターを左側に置くことにしている筆者には今回の配置変更は残念だった

ディスプレイ設定もしやすくなってるっ!

 ポートは増えたが、コントロールを配置している範囲が拡大している様子は見られない。何を切り捨てたのだろうか、と調べてみたら、輝度や音量を上下するダイヤルホイールがなくなっていた。

USBポートがひとつ増えたぶん、ダイヤルホイールは省略された。上から電源/戻るボタン、USBポート(USB Type-C)、3.5mmヘッドホンジャック

 では、ディスプレイ本体の設定をするにはどうすれば良いかというと、電源ボタンを軽く押して、表示される設定画面(OSD)を指で上げ下げすれば良い。以前のダイヤルホイール式より直感的で、操作しやすいと感じた。

タッチして操作する方式に変更されたOSD。直感的だ
FHDモデルではダイヤルホイールで決定しつつ上下させる

 指で操作することを念頭に置いているからか、OSDの表示範囲も広めにとってある。これなら誤タッチすることも少なそうだし、老眼になりかかっている目にも優しい。「わたしのためかっ!」と思えるほどありがたい改良だ。

4Kの威力はいかに……

 さて、肝心の表示のほうだが、残念ながらGalaxy Note 10+もHUAWEI Mate 20 Proも外部ディスプレイの解像度を変えることは不可能。ただGalaxyでは、プロメテウス FHDがFHD表示(1920×1080)だったのに対し、プロメテウス 4Kでは2560×1440のQHDとなった。

 表示できるデータ量に違いはなかったのだが、ドットが見られず、紙に印刷したような滑らかさが特徴的だと感じた。

プロメテウス 4KでGoogleドキュメントを表示。41行目まで表示されている
こちらはプロメテウス FHD。表示できるデータ量は同じだ
プロメテウス 4Kの表示を拡大したもの。なめらかでドット感がない
プロメテウス FHDではシャープな印象があるがドット感が残る

 著作権の関係で、画像は載せられないが、(アニメ)動画を視聴した限りでも、プロメテウス 4Kのほうが表現力は高かった。仕事用パソコンで動画視聴に制約がある、Huluやネットフリックス、Amazonプライムビデオといったスマホ専用アプリのほうが使い勝手が良いと感じている、という人であれば、高解像度モバイルディスプレイに出力するメリットを感じられるだろう。

 また、画像編集アプリもスマホのほうが直感的で使いやすいものが多いため(外部ディスプレイにアプリが対応していれば)、大画面で細部まで確認しながら編集できるようになる。

 スマホと一緒に使うことだけを想定しているのであれば、プロメテウス 4Kはオーバースペックかもしれないが、表示はなめらかだし、必要とあらばキーボードをつなげられるし、ディスプレイ本体の設定はしやすくなったし、何より最近のノートパソコンでは外部ディスプレイへの4K出力対応端末が増えていることから、持っておいて損はない。

 また、国内メーカーのため、万が一のときには日本語でサポートを受けられるのも、これが最強だと思わずにいられない理由のひとつとなっている。

 ノートパソコン代わりに使えるか、という話に戻るが、Samsung Dexではどういうわけか物理キーボードを接続するとIMEが「Galaxyキーボード」に固定されてしまい、かな入力ができない。筆者はかな入力派なので、これでは仕事にならない。そんなわけで、せっかく「使えるっ!」と思ったプロメテウス 4Kも、Galaxy Note 10+と一緒では「使えないっ!」(筆者の場合)となってしまったのであった。

ハード的な環境が最強だっただけに残念。重量を気にする人がいるかもしれないが、本体655g、スタンド兼カバー372g、合計1027gプラス軽量の折りたたみ式外付けキーボード(MOBO Keyboard)なら現実的な重さだ
製品名発売元実売価格
PROMETHEUS MONITOR 15.6 4KUNIQ6万4800円
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