本日の一品

モバイルバッテリーと充電器がひとつになった「Anker PowerCore III Fusion 5000」

 複数のガジェットを持ち歩いている人であれば、モバイルバッテリーと充電器の2つは、普段からバッグの中に常備されていることが多いだろう。もっとも、この両者は合わせるとけっこうなサイズになるのが困りものだ。

 かといって、少しでも荷物を減らすべく、出掛ける日によって「今日は充電器は置いていこう」とか「今日はモバイルバッテリーは不要だ」などと入れ替えるのは面倒だし、なにより出先で必要になってしまい、不便な思いをしないとも限らない。

USB Aポート×1とUSB Type-Cポート×1、合計2ポートを搭載する
プラグは折りたたみ式。バッグの中で他のガジェットを傷つけずに済む
正面。アイコンだけではわからないが、同社の「PowerIQ 3.0 (Gen2)」に対応する

 こうした場合に適しているのが、本体にバッテリーを内蔵し、モバイルバッテリーとしても利用できる充電器だ。今回紹介するAnkerの「PowerCore III Fusion 5000」は、こうした2WAYタイプの製品の中では、今年登場したばかりの新顔となる製品だ。

 本体には、USB Type-Aポートがひとつと、USB Type-Cポートがひとつ、合計2ポートが搭載されている。USB Type-Cポートは最大18Wの出力に対応しており、USB PDに対応したほとんどのスマホを最高速度で充電できる。一方のUSBポートは、最大12W(5V/2.4A)までの出力に対応しており、タブレットなどの充電にも利用できる。

 また本体には4850mAhのバッテリーが内蔵されており、モバイルバッテリーとしても利用できる。充電は本体正面のボタンを押すことで行えるほか、ボタンに埋め込まれた4つのLEDで、バッテリー残量の確認も行える。

奥行きの比較。かなり差があるように見えるが、本製品はプラグが折り畳める利点がある
CDとのサイズ比較。単体のUSB充電器として見た場合は必ずしもコンパクトとは言えない
iPad Proなどに付属するUSB-C充電器とのサイズ比較。USB PDは同じ最大18Wだ

 充電器として見た場合には決して小柄なサイズではないが、モバイルバッテリーの機能を内蔵していると考えれば非常にコンパクトで、外出時にはこれをひとつバッグの中に放り込んでおけば、あれこれ迷うこともない。プラグは折りたたみ式なので、バッグの中で他のガジェット類を傷つける可能性も低い。

 また本製品は、充電速度の最適化規格「PowerIQ 3.0」の第2世代である「PowerIQ 3.0 (Gen2)」に対応するのもポイントだ。従来のPowerIQ 3.0は、USB PDの規格上は5V出力時に3Aであるべきところ、2.4Aという独自仕様だったが、このGen2では規格に則した3Aへとあらためられている。多くのデバイスとの互換性があることから、どれかひとつ持ち歩くのであればコレ、と言えるのは心強い。

コンセントに挿して充電中。USB Aポートを使っての2台同時充電時は最大15Wとなる
モバイルバッテリーの残量は本体正面ボタン上の4つのLEDで把握できる
モバイルバッテリーとして使用中。バッテリー内蔵であることを知らないと、コンセントにつながず充電できるのは奇異に見えるかもしれない

 唯一気になるのは、USB Type-CとUSB Type-Aポートの同時使用時は最大15Wまでという仕様だ。USB PD側は最大18Wを維持する代わりに、USB Type-Aは速度が落ちる……という仕様ならばよかったのだが、上限が15Wというのはきつい。同時充電にこだわる人は、この仕様は気をつけておくべきだろう。

 とはいえ、こうした出力をアップさせるためにボディがさらに大柄になっては元も子もないので、現状ではこれがベターだろう。進化が速く、日々製品が移り変わっていくモバイルバッテリーや充電器だが、2WAYという条件であれば、現在もっともお勧めできる製品だ。

製品名発売元購入価格
Anker PowerCore III Fusion 5000Anker3590円