本日の一品
アナログだけど楽しいパスワード管理ノートブック!
2020年8月17日 06:00
何十年も前から外資系企業に勤めていた筆者には、ログインパスワードという言葉は日常茶飯事で、毎月強制的にパスワードを変更させられるのが日常だった。そのパスワードのチェック機能も今と遜色ないほど当時から極めてよくできていた。
例えば前月とよく似た文字列のパスワードやQWERTYキーボードの位置を利用したような、1月は1→Q→A→Z+誕生日、2月は2→W→S→X+誕生日なんて言う本人が忘れにくい都合の良いパスワードはことごとくサーバー側からお許しが出なかった。
一方、企業外のパソコン通信や創成期のインターネットでは、パスワードなんて一つあれば良い方で、パスワードの変更も余程のことが無ければ誰かから要求されて余儀なく変更させられることは無かった。
そんなパスワードだが、スマホの拡大に連動した日本のネット人口の爆発と共にこの10年ほどで大きく様変わりした。多くのクラウドストレージ系やSNS系、IoT系のサービスがユーザー個人のアカウントを作ることが大前提になってきたからだ。
良いか悪いかは別にして、楽しんでいるサービスの数だけパスワードを持ってしまうことになってしまった。最近でこそ、ブラウザーに紐づけされたアカウントに各サービスのログインIDとパスワードを記憶させてしまう手段もあるが、それを好むかどうかは個人の問題だ。
信用できないと考える人や、便利だと思う反面、一つのパスワードで全てのサービスがログインできる仕組みを当然のように嫌い疑う人もいる。良くできたもので世の中ではそんな人の為に様々なパスワード管理手段が提供されている。
パスワードの管理は前述のサーバーサイドでやってくれるもの以外に、大きく分けてハードウェアで実現するモノと、もう一方は人類数千年の文化的歴史が後押しする超アナログの手帖で実現する仕組みもある。
前者には、筆者が長年使っているMIRUPASSと呼ばれる昔の小さな電子手帳イメージで、ネットサービス名とログインID、パスワードを一括管理してくれる液晶付きの道具(パスワードマネージャー)がある。マスターパスワードの鍵付きMIRUPASSを開いて個々のサービスのログインID、パスワードを付属のペンでチョイチョイと検索表示できる。
まあ簡単に言ってしまえばオンライン版のGoogle Password Managerをローカル(手元に置いたような)ハードウェア版だ。もちろんUSBケーブルでパソコンと接続して暗号化バックアップも取れるしリストアもできる。乾電池駆動なので便利だ。
そしてもう一つは、最近、筆者が使いだした“クレイジースモール パスワードロム240”と名付けられたパスワードマネージャーのハードウェアだ。こっちの詳細は長くなりそうなので今回は置いておいて、今回ご紹介したいのは、ハードウェア型パスワードマネジャーとは対極にある超アナログの「パスワード管理 ノート」(ひみつの答えのパスワードノート:オレンジ)だ。
筆者宅でも、オタクで凝り性な私とは対局の位置に居る家内は、予想外に少しづつ増えてしまったパスワード管理は究極のアナログ紙派だ。そんな紙派にとって最低限の機密管理を実現し、本人が大事なパスワードを忘れることが防止できるなかなか工夫された素晴らしい商品だ。
「パスワード管理 ノート」はB6版サイズ、見開きで182㎜(縦)X 257㎜(横)のB5判サイズになる。見開きで4つのネットワークサービスとそれに関連するユーザID、パスワード、ノート(コメント)を記載できるフォーマットとなっている。そしてなんと1冊で100件のIDとパスワードが管理できる。
ページ内にはパスワードを自分で考える時に参考になりそうなペットや本、人、お寿司、地球、音符などのアイコンが併記されている。例えば、お寿司を想像して思いついたパスワード作成例として、パスワードはユーザー本人やごく限られた人しか知らない「好きなお寿司と苦手なお寿司365」から作り出す“engawauni365”というのがパスワードの候補となる。関連コメントとして、お店のポイント情報や電話番号を併記しておくというアナログ手帳の便利感覚だ。
筆者も早速、毎日使っている常用のサービスを4つほど選び出して、既にあるパスワードだけれど、それぞれが極めて似ていて自分でも時々間違うことの多いパスワードを整理して書いてみた。
不謹慎な筆者の場合、パスワードの多くは好きな女優の名前やそれに組み合わせる全く別の属性などで、英数字大文字小文字交じり文形式で、だいたい16文字以上に設定している。
ちなみに某ネットサービスプロバイダーの実際のパスワードは「某女優フルネーム+4代目ワンコの名前+バースデイ」に設定している。これだけの要素を完全に分かるのは家族以外まず居ない。家族でも分からないパスワードが最適かどうかは意見が分かれるだろうが、我が家ではずっと以前から少なくとも家族にはパスワードの類推がつくようにしている。
女優の中にも「某女優」と「好きな金髪女優」と「大好きな女優」の3人が居るのでなかなか手強いはずだ。おまけに女優は過去、現在に渡り、年齢もばらばらだ。女優の姓と名の間に何か任意の文字を挿入したケース、一部を大文字にしたケースなど、なかなか一筋縄ではいかないような工夫は凝らしたつもりだ。
そういう人間的な自由な発想で作ったパスワードを作成者本人にだけはいとも簡単に思い出させる手法を盛り込んだことが「パスワード管理 ノート」の素晴らしいところだろう。
デジタル系パスワードマネージャー(単体ハードウェアモデル)の大好きな筆者だが、「パスワード管理 ノート」を知ってからはこっちの方が楽しくてクリエイティブな感じがしてならない。オレンジ色の「パスワード管理 ノート」はこのまま筆者が使って、同じ「パスワード管理 ノート」のネイビーカラーモデルを家内専用に買い増ししようと考えている。
製品名 | 発売元 | 購入価格 |
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パスワード管理 ノート | WakuWaku | 990円 |